ホーム  >  コープの商品  >  安全・安心の取り組み  >  食品の安全性に関する基準や考え方 食品の容器包装等に関する基準や考え方

食品の容器包装等に関する基準や考え方

2013年7月

はじめに

京都生協は1998年に「ダイオキシン・『環境ホルモン』問題への対応方針」を策定しダイオキシン問題へのとりくみをすすめてきました。そしてコ−プ商品の容器包装の材質調査をすすめ、「ダイオキシン・『環境ホルモン』問題への事業対応の進捗と今後の管理について」(1999年11月)で代替えの状況と今後の見通しを明らかにしました。
その後、京都生協が懸念していたダイオキシンに関わる法整備の確立や環境ホルモン物質の新たな科学的知見が報告されています。

(1)塩素を含む包材(ダイオキシン問題)

2000年1月に「ダイオキシン類対策特別措置法」が施行、2002年12月に「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の施行規則の一部が改正され、ゴミ焼却炉の構造基準の強化や一部の例外を除き廃棄物を焼却すること(野焼き)が禁止され、ほとんどの小型の焼却炉が使用禁止になりました。2013年度の京都府全域におけるダイオキシン調査では、測定したすべての地域で、環境基準以下となっており、ゴミ焼却炉の性能改善などの施策がダイオキシンを減少させる大きな要因になったと考えられます。

(2)ポリ塩化ビニル {内分泌撹乱物質(環境ホルモン)問題}

ポリ塩化ビニルの可塑剤として広く使われているフタル酸エステル、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOP)に関しては、内分泌撹乱化学物質の疑いが晴れています。しかし、ポリ塩化ビニル製の容器と油脂あるいは油を含む食品が接触した場合に、容器からフタル酸エステルが短時間で溶出し、耐容一日摂取量を超える可能性がありました。現在は油脂又は脂肪性食品を含有する食品に接触する器具又は容器包装には、フタル酸エステルを使用したポリ塩化ビニルの容器包装は使用禁止になっています。

(3)ポリスチレン樹脂 {内分泌撹乱物質(環境ホルモン)問題}

  • ①1998年5月の「環境ホルモン戦略計画SPEED'98」で検討対象となっていた「スチレンダイマー、トリマー」は、2000年7月の「内分泌攪乱化学物質問題検討会」において現時点でリスクを算定する必要性はないと結論づけられました。
  • ②2006年8月、東京都健康安全研究センターの研究から「食品容器から流出。スチレントリマー精巣の重量減らす」との報道がありました。この報道に対して、日本生協連は安全性の再評価を進め、2009年9月時点での結論は「これまでの試験による、低濃度のスチレン暴露による生殖毒性は否定されると考えられる」としました。カップめんなどからのスチレン溶出も含め、通常ヒトが経口で暴露するレベルでは、生殖毒性や発がん性に懸念はありません。ただし今後もスチレンに関する新たな知見については、情報の収集が必要と考えます。

(4)エポキシ樹脂、ポリカーボネートなど、ビスフェノールAを原料とする樹脂 {内分泌撹乱物質(環境ホルモン)問題}

  • ①ビスフェノールAはプラスチック容器に用いられるポリカーボネート樹脂や缶詰の内面塗装に用いられるエポキシ樹脂の原材料として使用されています。
  • ②2008年7月にEUは、ビスフェノールAの耐容一日摂取量(生涯に渡って摂取し続けても問題ないとされる量)を0.05mg/kgとの見解を発表し、現在もこの基準の変更はおこなわれていません。
  • ③現在日本では、耐容一日摂取量に基づき、容器等から溶出するビスフェノールAの量は食品衛生法(ポリカーボネート)や日本製缶協会(エポキシ樹脂)の自主基準によって定められています。
  • ④ビスフェノールAの安全性の評価については、低い用量の曝露で影響があるという文献があります。現在(2012年4月)食品安全委員会で食品健康調査評価がおこなわれており、今後の動向を注目する必要があります。

化学物質に関する基準が変わったよ!−農薬・動物用医薬品・容器包装編−:1.3MB

食品の容器包装等に対する考え方

(1)塩化ビニル

『留意使用とします』※1(代替が難しく有用性がある場合に限り使用します)
添加剤(主に可塑剤)に注視した基準設定とします。シーリング、接着剤、防湿コートなど代替が難しい用途に限り使用を認めますが、フィルムなど代替が容易な用途には使用しません。なお、使用する際は塩ビ食品衛生協議会で定めた添加剤だけが使用されていることを必要条件とします。

(2)塩化ビニリデン

『留意使用とします』※1(使用用途や代替可能性を十分に検討の上、有用性がある場合に使用する)ただし塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹脂が直接食品に触れない場合は使用しても差し支えないとします。
添加剤(主に可塑剤)に注視した基準設定とします。ただし、容器包装によく用いられるコート剤としての用途では可塑剤は使用されませんので管理の対象とはしません。塩化ビニリデンは密着性や酸素遮蔽性に優れ、有用性も高い材料です。これらを考慮して、代替可能性を十分に検討した上で使用可能としました。なお使用する際はポリ塩化ビニリデン衛生協議会で定めた添加剤だけが使用されていることを必要条件としています。

(3)ポリスチレン樹脂

『留意使用とします』※1
基本的には使用を認めますが、スチレンやその他の揮発性化合物の溶出が多くなる可能性のある場合(「表面に油分が多く、賞味期間の長い(3ヶ月を超える)もの」あるいは「調理で電子レンジを用いて加熱するなど100℃を超えた状態になりやすいもの」)については、有用性や代替性を考慮して使用の判断をおこないます。
乾物、菓子などの包装には無条件で使用可能です。

(4)エポキシ樹脂、ポリカーボネート

『留意使用とします』※1
一日耐容摂取量が求められており、製品からの溶出量についても、法的な基準や業界基準により定められています。ただし、現在、食品安全委員会で食品健康調査評価が進められているため、今後、調査結果が公表された段階で、対応が必要かどうか見直します。
エポキシ樹脂、ポリカーボネートは様々な家庭用品や日用品にも使用されており、テレビ、パソコン、接着剤、スーツケース、眼鏡などにも使用されています。よって、食品にビスフェノールA を原料とする樹脂が直接触れない場合は使用して差し支えないと考えます。

  • ※1:留意使用とは、使用する包材の「必要性」「有用性」を判断して、組合員にとってのメリットが高く、使用理由が明確であることを条件に取り扱いを認めるということです。

とりくみ

(1)留意使用とする容器包装の必要性、有用性を確認します。

  • ①使用する包材の「必要性」「有用性」を明らかにした上で取り扱いを認めます。
  • ②組合員にとってのメリットが高く、使用理由が明確であることを確認します。

(2)国のリスク評価を注視していきます。

  • ①現在、食品安全委員会で評価指針が検討されており、指針のとりまとめ後に、食品の容器包装に用いられるプラスチックのリスク評価がおこなわれる予定です。
  • ②こうした国の動きに対し、日本生協連と連携し関連情報の収集を継続して行い、国のリスク評価やリスク管理のシステムの整備状況を注視していきます。

(3)自主基準の見直し

  • ①今後、国のリスク管理のしくみが整備された段階で、日本生協連と連携しながら国の評価内容の精査をおこないます。
  • ②今後、日本生協連の動きも参考にしながら、必要に応じて京都生協の基準の見直しをおこないます。

このページの先頭へ