ブックタイトルbookcopolo1808

ページ
8/16

このページは bookcopolo1808 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

bookcopolo1808

?食の安全・安心に関する最新の情報を、科学ジャーナリストの松永和紀さんに分かりやすく解説していただきます。?Q.冷凍食品は安全?栄養面も心配…A.長所もたくさん。上手に活用しましょう冷凍食品のおいしさの秘密市販の冷凍食品は、?30℃以下の冷気を吹き付けて食品を凍らせ、?18℃以下で保管されています。細菌の数や加工に使用する水、加工に使う器具の清浄性など、厳しい基準が設けられています。市販品の大きな特徴は、「最大氷結晶生成温度帯」を通過する時間を極力短くしてあること。食品中の水分にはアミノ酸や糖類などが溶け込んでいるので、?1? 5℃の温度帯で凍結します。食品が冷やされこの温度帯をゆっくり下がっていくと、細胞中に大きな氷の結晶ができて細胞が壊れます。解凍すると、中の水分(ドリップ)が流れ出し、味も食感も悪くなります。そのため、市販品は特別な設備で一気に冷やして氷の結晶を小さくし、細胞が壊れるのを防いでいるのです。この点が、家庭用冷凍冷蔵庫でのホームフリージングと大きく異なり、品質の良さにつながっています。電子レンジ加熱は安全「電子レンジで加熱すると悪い物質ができるのでは?」と心配する人がいますが、杞憂です。電子レンジは、マイクロ波を食品にあてて食品中の水分子を振動させ、摩擦熱で温める原理です。冷凍食品にはさまざまな種類がありますが、私のオススメは冷凍野菜。工場はたいてい、産地のすぐ近くにあります。旬の時期に大量に穫れる野菜を運び、水で洗った後にさっと湯通し(ブランチング)し、冷凍します。常に旬の野菜を加工できるように、年間計画で多くの品目を栽培するスケジュールを農家と契約し、作ってもらっています。収穫後、数時間で冷凍に至るので、穫れたての味や栄養素の多くが保持されます。冷凍は電気を使い、環境負荷を高める側面がありますが、保存性が高く、保存料無添加で冷凍食品を製造することができるので、その点を評価する人もいます。08コーポロ2018年8月号