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概要

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?食の安全・安心に関する最新の情報を、科学ジャーナリストの松永和紀さんに分かりやすく解説していただきます。Q.カビは食べても大丈夫??A.体に悪いカビもあるので注意してください毒性物質を作るカビがあるカビといっても種類はさまざま。人の生活に役立つ良いカビと、健康に悪影響をもたらす悪いカこうじビがあります。良いカビの筆頭は麹。アスペルギルス属というカビの一種で、コウジカビ、あるいはコウジ菌とも呼ばれます。日本酒や味噌、しょうゆづくりなどに欠かせません。ブルーチーズやカマンベールチーズなどもカビを用いて作られ、よく食べられています。医療分野でも、カビの力が利用されています。たとえば抗生物質のペニシリンはカビの培養液から抽出され、第二次世界大戦中から戦後にかけて多くの命を救いました。ところが、悪いカビも少なくありません。コウジカビと同じアスペルギルス属のカビの仲間の中に、アフラトキシン類という強い発がん物質を作るものがあります。植物の栽培中や収穫後の保管中に増えアフラトキシン類を作り、農産物を汚染します。アフラトキシン類は輸入されるナッツ類や飼料用トウモロコシなどでよく見つかるため、港での輸入手続きの時に検査が行なわれ、一定濃度を超えると輸入ストップとなります。最近では日本の米でも検出事例があります。ほかにも、小麦に付く赤カビが作るデオキシニバレノール、リンゴ果汁に混じりやすいパツリンなど、カビが作る毒性物質(カビ毒と呼ばれます)は100種類以上あるそうです。それぞれの農産物と、付きやすい悪いカビに合った対策が国内外の農家や加工業者に求められ、規制が講じられていますので、消費者はこれらについては気にしなくてよいでしょう。08コーポロ2019年1月号