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秋のまなびば♪報告その1子どもの貧困を知る学習会京都生協では、子どもたちが豊かに育つ地域社会を目指して、様々な活動を行なっています。今回は「山科醍醐こどものひろば」で、まちづくりをとおして子どもたちに寄り添い、2018年度組合員学習会「秋のまなびば♪」は、京都テルサとコープイン京都にて3つの講演会を開催しました。コーポロでは2月号・3月号に渡り、学習会の内容をダイジェスト版でご紹介します。支援活動を行なっている村井琢哉さんに、子どもの貧困について私たちができることを教えていただきました。むらいたくや講師:村井琢哉さん特定非営利活動法人「山科醍醐こどものひろば」理事長。「山科醍醐こどものひろば」は1999年から、地域に住むすべての子どもたちが豊かに育つ社会環境や文化環境を充実させ、子どもたちの伸びやかな育ちに寄与できる団体を目指して活動しています。学区による住み分かれと貧困の関係子どもの貧困について考えたとき、指標の一つになるのが「学区」です。家賃によって富裕層と貧困層の住み分かれが起こり、同じくらいの生活水準の人たちが、同じ学区に集まります。つまり、富裕層から貧困層の実態は見えにくくなり、貧困層はその学区に何代にも渡って住み続けることで貧困状態が慢性化し、自分たちの痛みに気づけなくなっているのです。どこに住んで、どんなくらしをするかは所得が大きく影響します。お金があれば住む場所や生活水準など様々な選択肢を持てますが、貧困層は選択肢が少なくなってしまいます。型にはめずに、その子自身を見て私たちはまちにあり続ける団体として子どもたちと関わっていますが、出会う子どもの背景にたまたま経済的な問題があることに気づいた時、自然発生的に活動を行なっています。大人が貧困問題の解決を図るとき、まず「お金がない子」を探しがちですが、「貧困な子ども」という型に押し込めて考えるのではなく、その子自身の状態を知ることを常に優先しています。子どもをとりまく環境虐待の相談件数は、全国で昨年から1万件増加、いじめは2年前と比べ20万件増えています。このほとんどは心理的虐待で、言葉の暴力や面前DVなどが該当します。数字にあがってこない暴言・暴力もたくさんあります。父親が母親を殴る場面、または学校でいじめの現場を見た子どもたちは、相当な心理的ダメージを受けています。「明日はわが身」という危機感、恐怖感を抱きながら暮らしているのです。皆さんに気づいていただきたいのは、虐待やいじめの数ではなく、虐待やいじめが身近な家庭や学校にも「ある」という事実です。子どもたちは与えられた枠組みの中で、「みんな一緒」「みんな仲良し」になって、自分がいじめられず、周囲と良好な関係を維持し生き延びるためのコミュニケーションをひたすら行なっています。そのためにスマホを欲しがり、習い事をしたがるのです。みんなが持っているスマホ06コーポロ2019年2月号