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概要

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秋のまなびば♪報告その2食品の安全・安心を知る学習会生協では、長きに渡って組合員の食品の安全・安心を守るために様々な活動やとりくみを続けてきました。食品の安全に関する国の基準も大きく改善された現代で、生協として目指していく次のステージの「食品の安全・安心」について、日本生協連の鬼武一夫さんに教えていただきました。おにたけかずお講師:鬼武一夫さん日本生活協同組合連合会品質保証本部総合品質保証担当食品安全委員会企画等専門調査会など、政府審議会委員を歴任今日は・食品の安全に関して生協が取り組んできたこと・食品の安全・安心の考え方の2つについてお話しします。70年間で生協が果たしてきた役割1947年、食品衛生法は戦後に食糧確保が優先された結果、食中毒などの様々な問題が生じたことを背景に、食品を衛生的に取り扱っていくために制定されました。続いて1995年の食品衛生法改正では、従来は合成添加物のみであった安全性の審査を天然添加物についても行なうなど、生協の要請で食品の安全性を守るための様々なしくみが構築されてきました。その後、大手乳業メーカーの食中毒事故や国内におけるBSE(狂牛病)の発生など、食品の安全が脅かされるできごとが起こり、生協による1300万人の請願署名のとりくみを経て、2003年に食品衛生法の改正と食品安全基本法が制定されました。また、科学的知見に基づき客観的かつ中立公正にリスク評価(食品健康影響評価)を行なう機関として「食品安全委員会」が設置されました。リスク分析の枠組みの中で、消費者に食品の安全情報が開示され、消費者の立場からものを言える(パブリックコメント)ようになったのです。生協も食品の安全の法律改正について、欧米の行政機関の調査をもとに、国に意見書を提出しました。2018年、食品衛生法の改正の一つに、HハACCP(サップ危害分析重要管理点方式)が取り入れられました。食品に関わるすべての業者は、使用する原材料や製造方法などに応じて計画を作成し、管理を行なわければならないとしています。衛生管理が重視される理由は、人の健康を脅かす大きな原因は食中毒だからです。健康な食生活を考えるキーワードは「衛生管理」と「食生活」です。短期的には衛生管理、長期的には健康のための食生活。これら2つが、生協が今から取り組んでいくべき重点課題だと考えています。そのほかには食品中の添加物、農薬、動物用医薬品などの化学物質、遺伝子組換え作物、ゲノム編集などの項目についても注視しています。科学が進歩するなかで、生協としてこれらを根拠なく否定することはできません。安全性はどこまで分かっているかをはっきりさせる、食品供給の行程全体を監視していく必要があります。08コーポロ2019年2月号