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これから目指す食品の安全・安心食品の安全・安心がある程度確保された現代において、生協のとりくみが見えにくくなっているというお声をいただくことがあります。情報化社会で科学の考え方が変わってきているなか、生協が担う役割は何か。また、SDGs(持続可能な開発目標)で生協が目指すべきゴールは何か。生協だけでなく、社会全体として食品の安全性向上に寄与するとりくみを進める必要があります。健康は日々の食生活からW H O憲章では健康とは、「肉体的・精神的及び社会的に完全に良好な状態」とされています。単に「病気ではない」という状態ではないのです。今、日本人の2人に1人はがんになる可能性があると言われています。がん予防の6つの要因のうち、「感染」以外の●禁煙●食生活の見直し●節酒●適正体重の維持●体を動かすの5つは日ごろの生活習慣に大きく関わっているため、生活習慣病の予防などにも効果的です。健康的な食生活への近道は結局、日々の食べ方を見直すことです。何を、どれだけ食べればよいかの指標として「食事バランスガイド」を活用しましょう(下図)。食事バランスガイドに基づいた食生活を実践している人は、死亡リスクが低くなることが調査で分かっています。目標は半年~数年単位での食生活の改善です。日本生協連ではお米を中心に多様な食材を組み合わせた「日本型食生活」で、多品目をバランス良く摂取することを勧めています。1日分での組み立てが難しければ、数日~1週間単位で栄養バランスを考えても良いのです。お総菜や冷凍食品、レトルトなどもうまく活用しましょう。また、日本人は食塩摂取量が多いため、食生活について個人が自ら考え、生活習慣を変えていくための「気づき」を与えるアプローチを生協として行なっていく必要があると考えています。あわせて、生協では食品に関する新しい情報を発信することで、皆さんの食品の安全・安心に貢献したいと考えています。大切なのは、「偏らないこと」食品の安全・安心を考えるとき、世の中にはたくさんの情報があふれています。食品の安全性、健康的な食生活、栄養、食べ方、情報との向き合い方、おいしく楽しく味わうこと…どれかひとつに肩入れせず、すべてバランス良く考えていく必要があります。多様な食品を適量食べることは栄養の観点だけでなく、食品に起因するリスクを分散させるためにも、がんの予防のためにもとても重要です。健康を追求するあまり、特定の成分や食品ばかりに注目せず、できるだけ多くの種類の食品をバランス良く食べることを心がけていきましょう。1日に、「何を」、「どれだけ」食べたらよいかを考える際の参考にしていただけるよう、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したもの。2005年に厚生労働省と農林水産省により定められました。コーポロ2019年2月号09