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概要

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23141.肉厚な葉は濃い緑色。水分を多く含んだやわらかな食感です2.小松菜収穫班の皆さんと。「丹精込めた自慢の小松菜をぜひ食べてください!」3.収穫は手作業で丁寧に。茎が折れてしまわないよう、優しくかつスピーディーに行なうのが難しいのだとか4.ビニールハウス棟が密集するこの地域で、横江ファームはおよそ3.5haの露地畑とハウス約100棟で生産していますおいしさの秘密は自然と科学と経験見渡す限り一面のビニールハウス群が広がる草津市北山田町は、琵琶湖のほとりに位置する滋賀有数の農業地です。たくあん漬けに使われる「山田ねずみ大根」をはじめとした漬物野菜の生産が昔から盛んで、今では多種多様な農産物がつくられています。横江ファームは自然の力をいかした露地栽培と、安定した供給量を確保できるハウス栽培を併用した方法で、年間およそ332tの小松菜を出荷する農業法人。土づくりと水にこだわり、近江牛の牛糞を発酵させた堆肥を主に使用し、琵琶湖からの豊富な水を与えて作物を育てます。「土壌中の微生物量などを科学的に診断した上で、牛糞や鶏糞の堆肥を畑に施しています」と営業・生産課きたむらふとし長の北邑太さんは話します。また、横江ファームの小松菜は苦味・アクが甘み・旨味に変わるぎりぎりのタイミングまで栽培を続けるため、一般市場に出回る小松菜よりひとまわり大きいのだそうです。「おすすめは旬の12~3月収穫のもの。小松菜にも“寒締め”があり、寒くなると凍らないように養分を貯えるため、味がグッと濃くなって甘みがぐんと増すんですよ」と、営業・生まつもとたつや産部長の松本達也さんは教えてくれました。小松菜で地域を元気にしたい草津市北山田町がハウス栽培野菜の一大産地となった背景には、様々な人の努力がありました。その一よこえでんぞう人である横江傳造社長は、この地で15歳から農業を続ける大ベテラン。「農業なら自分の力で稼ぎを増やせると考え、近所の農家の方に教えを乞いながら見様見真似で農業を始めた」と言います。モットーは「とにかく人に聞くこと」。同じく農業で成功している人や、市場の人、消費者の声を聴きまわり、求められる野菜づくりを常に模索してきました。転機が訪れたのは約25年前。産地表示の義務化により、それまで「京滋野菜」として販売していた漬物野コーポロ2019年3月号03