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概要

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特集東日本大震災から8年が経とうとしてい日本生協連主催福島を見て、知るツアー参加レポートツアー行程1日目ます。昨年も各地で大規模な地震や台風などの自然災害が相次ぎ、大震災のその後は日ごとに報道されることも少なくなりつつありますが、果たして被災地は復興が進んでいるのでしょうか。2 0 18年11月1日(木)~2日(金)、日本生協連は被災地の現状を直接学ぶ機会としてツアーを開催し、京都生協からは日比理事(南ブロック)、姜理事(東ブロック)、酒井理事(両丹ブロック)が参加しました。・米の全量全袋検査(放射線量のスクリーニング検査)行程見学・JAふくしま未来・モニタリングセンター(農産物放射性物質検査場)・環境省福島環境再生事務所環境再生プラザ(旧除染情報プラザ)2日目▲今回のツアー参加の皆さんと・いわき市小名浜魚市場・いわき・ら・ら・ミュウ(いわき市観光物産センター)・イオンモールいわき小名浜・国道6号線を北上(富岡町→双葉町→請戸地区→飯舘村)参加しての感想(抜粋)ひ日び比明あきこ子(南ブロック理事)福島市西物流センター・(株)帝北ロジスティックでは、福島市域で生産される全ての米(出荷米・自家用米、縁故米・くず米、飼料米など)の放射性物質濃度を測定し、安全が確認されたものだけを出荷・消費させることにより、福島市産米の信頼回復を目的としています。基準値を超えた場合は、市が該当米袋を隔離・保管・処分し、検査結果は県が一元的に管理しています。安全性が確認された玄米を原料とした精米の検査済証の2次元コードにアクセスすると、検査結果を確認することができます。あまのようすけいわき市小名浜魚市場では福島県水産海洋研究センター放射能研究部の天野洋典さんから「福島県の海産魚介類の安全性について」、福島県漁業協同組合連合会からは「福島県における漁業の現状と復興に向けた取り組み」のお話を伺いました。福島県では県が行なう、出荷制限の解除や試験操業対象種の選定が目的のモニタリング調査と、漁協が行なう「安心して食べてもらうための自主検査」の2種類があります。福島県では55,000件以上の海産魚介類を検査し、安全を確認。現在、放射性物質はほぼ不検出です。しかし、福島県の魚が獲れなくなった時に他から魚を調達した売場は定着してしまい、再び魚が獲れるようになっても簡単に品揃えは戻りません。沿岸漁業の漁獲量は震災前(2010年平均)の約13%と低く、今後の課題となっています。イオンモールいわき小名浜は全国唯一、災害発生時の避難拠点「防災モール」として設計され、2018年6月にオープンしました。閉店後の夜間も幅広な歩道橋(避難デッキ)と接続した店内通路や屋上を開放し、一時的に避難者を受け入れる機能があります。屋上に上がるための外階段もとても幅広く、緊急時に多数の方が利用できる設計でした。国道は交通量が多くなり、復興作業が進んでいるのは分かるのですが、原野のごとく荒れ放題となってしまった田畑もあり、まだまだ地道な作業が必要です。除染作業で出た廃棄物が詰め込まれたフレコンバックが日常のくらしの中に同居し続け、子どもたちの通学路の風景の1つとして当たり前に映っている状況に対して、複雑な思いです。福島県はとても広く、京都にいる私たちと変わらない日常を送っている人たちもたくさんいます。特別に検査が必要ではない地域がほとんど、と言っていいのかもしれません。しかし、原発事故の影響を受けた地域の方々は、避難指示解除による被害者同士の分断など、地元の方同士だからこその複雑な状況があります。いただいた資料に、「原発事故による放射性物質の流れを示した地図に当てはめると『中通り』と『浜通り』が線量の高い地域となっています。『浜通り』『中通り』『元通り』が私たちの願いです。今、ふだんのくらしが一番だったということを身をもって感じているところです」と締めくくられていました。やはり「ふだんのくらし」ができることに感謝し守る努力をすることや、お互いに配慮することを忘れてはいけないと思いました。現地に行かなければ感じ取れないことがあります。見て、知って、少しでも気持ちを分かち合える人間になれたら…と思いました。コーポロ2019年3月号05