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秋のまなびば♪報告その3適塩を知る学習会2018年11月24日、コープイン京都で開催した「適塩を知る学習会」には、幅広い年齢層の組合員約100人が参加しました。まず、組合員ボランティアと一緒に健康体操に挑戦。2 0 1 8年度秋の「コープのまなびば♪」は、京都テルサとコープイン京都にて3つの講演会を開催しました。コーポロでは2月号に引き続き、学習会の内容をダイジェスト版でご紹介します。ほどよく体をほぐしたあと、医師の八田告さんと管理栄養士の川手由香さんから「適塩」について学びました。はったつぐる講師:八田告さん八田内科医院院長。透析・腎臓・高血圧・循環器の専門医。近江八幡市立総合医療センターの腎臓内科・腎臓センター顧問。「京都腎臓病総合対策推進協議会」の理事として、健康寿命を伸ばす「適塩」の啓発活動に取り組む。NHK「ためしてガッテン」などメディアでも活躍。塩の摂りすぎが「高血圧」「認知症」のリスクに体調のバロメーターとして「血圧」を気にする人は多いでしょう。そもそも血圧とは、心臓から流れ出る血液が動脈の壁を押す力のことです。電圧・電流・抵抗の関係を示す「Ωオームの法則」になぞらえて、下記の式のように考えることができます。血圧=血流×血管抵抗寒さで血圧が上がるのは、体温を逃がさないように血管が収縮し血管抵抗が高くなるため。長風呂による血圧低下は、血管が拡張して抵抗が低くなることが原因です。塩を摂取すると、血液中の塩分濃度が上昇。塩分濃度が高まると、血液の濃度を一定に保とうとするため細胞の水分を吸いこみ、血液量が増えます。すると、血管にかかる圧力が上昇し、血圧が上昇するしくみとなっています。また、塩を排泄する器官は、汗を排出する皮膚と体の中の老廃物を尿にする腎臓だけ。塩の摂りすぎが、高血圧や浮腫、腎障害の原因になるのはこのためです。生命の維持に塩は必要不可欠ですが、塩の摂りすぎもよくありません。高血圧とは、血圧の値が収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、あるいは両方が140/90mmHg以上になる病気。高血圧によって、「高血圧性脳症」「脳出血」「クモ膜下出血」「心肥大・心不全」「腎硬化症」「大動脈解離」「脳梗塞」「認知症」といった病気を発症するリスクが高まります。特に、「慢性腎臓病(CKD)」は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病によって発症するケースが多くみられます。日本では、成人の8人に1人がC K D患者。人工透析による治療が必要な末期腎不全や心血管疾患を発症するリスクも高くなります。人工透析にかかる医療費は1人あたり年間約500万円。塩の摂取量は、自立した老後を楽しむ「健康寿命」に大きく影響していると言えるでしょう。06コーポロ2019年3月号