ブックタイトルbookcopolo2003
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秋のまなびば♪報告その4核兵器のない世界をめざして~核兵器の廃絶に向けて世界は今~京都生協は、国際社会の一員として核兵器廃絶と世界平和の実現を目指す活動を推進しています。今回は、長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授の中村桂子さんを講師にお招きし、核兵器を取り巻く世界的な動きや、私たちができること、今後の展望を一緒に考えました。なかむら中けいこ村桂子さん長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)准教授。2012年までは特定非営利活動法人ピースデポ(横浜)事務局長として、核軍縮・不拡散問題に取り組む。世界にある核弾頭の数は約13,880発まずは、核兵器を巡る現状をお話ししましょう。1970年、核兵器保有国は核兵器を完全にゼロにすることを義務とする「核不拡散条約(NPT)」が発効されました。2017年7月、核兵器を全面的に非合法化する「核兵器禁止条約」が、国連に加盟する122カ国の賛成で採択されました。NPTの3本柱は、所持しているものから広げない「核不拡散」、武装をゼロにする「核軍縮」、「原子力の平和利用」です。50カ国が批准すれば発効されることになっており、2019年10月の時点では79カ国が署名、33カ国が批准しています。2019年6月の時点で、世界の核弾頭の数は約13,880発です。保有数のピークは1986~87年の冷戦時の約7万発で、年々減少しています。核兵器を保有するのはロシア、アメリカ、北朝鮮など9カ国です。日本をはじめ約30カ国は「核兵器を持たないけれど、保有国に依存している」状態です。この中には、アメリカの核兵器が配備されている国も含まれます。対して「持っていない国」は、約150カ国。核兵器に依存しない政策をとっています。核抑止論では世界の安全は守られない核保有国が「核兵器を持っておきたい理由」のひとつに「核抑止論」があります。「もし攻撃してくるなら、核兵器で反撃する」と牽制することで世界の安全を保ち“核兵器を持つことが、平和を守る唯一の手段だ”と主張しています。核保有国同士は、互いに胸元にピストルを突き付けあっているような状態です。私たちはその「核抑止」を問い直す必要があります。例えば2001年のアメリカ同時多発テロ事件のような、報復攻撃を恐れない相手には抑止が機能しませんでした。また、核の使用を前提とした抑止政策は「悪い奴は殺してもよい」という考えに基づき、新たな核の被害者を生み出します。それに、核兵器を保有することは事件・事故などの偶発的な使用の危険性を高めることにつながります。実際に、過去にはヒューマンエラーやコンピュー06コーポロ2020年3月号