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概要

bookcopolo2003

正解は1。東京都民1,300万人の食事量と匹敵する量の食品が無駄になっています。食品ロスは年間643万t。これは、日本の魚介類消費量600万tに匹敵するだけでなく、世界の食料援助量年間390万tの1.6倍に相当。食料をたくさん輸入しているのに、たくさん捨てているという状況です。しかも、この処理のために年間2兆円が投入されています。世界に目を向けてみると、食品ロスは年間13億t。重量ベースで食料生産量の3分の1。カロリーベースでは4分の1になり、地球規模の問題といえます。同じく、地球規模の課題になっているのが貧困問題。食べ物は足りているのに、分配がうまくできていないということが考えられます。2030年に向けた持続可能な開発目標「SDGs」では、小売り・消費レベルで世界の食料廃棄の半減を掲げています。また、国連は貴重なタンパク源として「昆虫食」を推奨。食料廃棄を禁止する法律が、2016年にフランス、続いてイタリアで制定。そして、2019年10月に日本でも「食品ロス削減推進法」が施行されました。日本における食品ロスは45%が家庭、55%が事業系です。私たち一人ひとりの意識と行動で、食品ロス削減は大きく前進します。ここで強調したいのは食品ロス削減のための「3 R」です。優先度の高い順に「Reduce」(廃棄物の発生抑制)、「Reuse」(再使用)、「Recycle」(再資源化)。「Reduce」で、適量が生産されれば、売れ残りも減らせます。消費者が適量を購入するようにすれば、食べ残しが防げます。「R e u s e」はフードバンクなどの利用。「R e c y c l e」はバイオマス資源の活用などです。賞味期限は目安。消費者の意識と行動で削減へ一般のご家庭で実践できるのが下記の「食品ロス削減10カ条」です。ぜひ覚えておいてほしいのは、賞味期限はおいしく食べる目安ということ。食品メーカーでは、製造方法や容器構造を見直して賞味期限の延長に成功した例も。賞味期限は、食品の特性に配慮した劣化度に対して、安全係数(0.8以上1未満)を掛け算して計算しています。つまり、安全においしく食べられる期限をわざと短めに設定しているということです。例えば、卵はパックしてから2週間程度が賞味期限として表示されていますが、本当は10℃以下の冬場で約57日間、夏場で約2 0日間、生で食べることができるのです。また、小売業者にもさまざまな工夫がみられます。週3日営業、4種類のみを販売するパン屋、1日1 0 0食ランチ営業のみの京都の飲食店、売り場の品ぞろえを無理せず欠品が多くてもOKとしているスーパー、回さない回転寿司など。長野県松本市発祥の、宴会の食べ残しを防ぐ「30・10運動」も全国各地で展開されています。実は、京都市は食品ロス削減の先進都市。全国の政令指定都市の中で家庭ごみが一番少ないのです。京都市のごみ量は、2000年のピーク時から現在ほぼ半減。さまざまな取り組みを行った結果、全国的にも素晴らしい成果を上げています。私たちは生きている限り食べます。食べ物を大切にして生きていきましょう。日本では、食品ロス削減に関心のない人がほとんど。今日の話を、ぜひ周りの人に伝えてください。日常生活を見直して「食品ロス削減10力条」1.冷蔵庫は便秘にしない!詰め込まない!2.食品ロス量を測る・書く3.規格外などを活用する4.年月表示の製品を買う5.賞味期限は目安6.新製品・季節商品はたまに購入7.売り場になくても(欠品)OK!8.飲食店では食べ切ろう!9.フードバンク、フードドライブなどでシェア10.廃棄する食材を肥料などにリサイクルするご協力お願いしますこれらの取り組みによって、2 018年から「京都府・京都市食べ残しゼロ推進店舗」に認定されています。京都生協のお店9店舗で、第1土曜にフードドライブを展開しています。また、各店舗では、食品ロスを出さない取り組みを実施しています。講演会当日に会場でフードドライブを実施。参加者が家庭から持ち寄った食品が集まりました。▲コーポロ2020年3月号09