ブックタイトルbookcopolo2004

ページ
8/16

このページは bookcopolo2004 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

bookcopolo2004

新連載教えて!森田さん?食の安全・安心情報を科学的視点で、皆さんに分かりやすくお伝えするコラムです。今月のテーマ食品表示を見ていますか?はじめまして。私は一般社団法人FフoodードCコommunicationミュニケーションCコompass(ンパス略称FフOOCOM)をーコム運営している森田満樹と申します。これから食の安全や食品表示について、皆さんに最新情報をお伝えしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。さて、皆さんは「食の安全・安心」という言葉で何を思い浮かべますか?京都府ではこの5年間、毎年「食の安心・安全」アンケートを行っており、2018年度の調査結果を見ると「特に関心をもっていること」の第1位は「食品添加物(5 1 . 6%)」、2位は「食中毒(47.3%)」、3位は「偽装表示(30.0%)」でした(3つまで複数回答可)。この傾向は毎年変わらず、東京都でも食中毒、食品添加物が上位2位に選ばれています。添加物は、原材料の表示で区分され一目で分かる食品添加物は、国が安全性を確認したものや、長い食経験があり安全と認められたものだけが使ってもよい制度となっており、そのこと自体があまり知られていないことも各種調査で分かっています。安全性の仕組みは次の機会にお伝えしますが、関心のある方はまずはパッケージの表示を見てください。食品添加物は、一括表示の原材料の欄に書いてあり、原材料と添加物が区分されて重量の多いもの順で書かれています。その区分は、多くの場合「/(スラッシュ)」が使われ、添加物が一目で確認できるようになっています。こうした書き方、区分のルールは、2009年に発足した消費者庁が作った「食品表示法」という法律で決められました。2015年に施行し、5年間の経過期間を経てこの4月に完全義務化となります。食品表示のルールはここから大きく変わりました。栄養成分表示も義務化、「ナトリウム」が「食塩相当量」に法律ができて一番変わったのは、栄養成分表示でしょう。この4月から完全義務化となり、「エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量」の順で表示されます。また、「ナトリウム」は「食塩相当量」に表示が変わりました。「そういえば最近、駅弁にも栄養表示がついて食塩の量が一目で分かるようになった」とお気づきかもしれません。食塩の摂りすぎは私たちの健康にも関わること。厚労省が定めた「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日の食塩相当量の目標量は男性7.5g未満、女性6.5g未満です。このことを知って、食品表示を見ると「塩分の多いラーメンの汁は残そう」と食生活も変わってきそうです。食の安全・安心と食品表示は大きな関わりがあります。食の安全の仕組みを知り、食品表示をもっと活用してもらいたい、そんな思いでお伝えしていきます。執筆者PROFILE消費生活コンサルタントもりた森まき田満樹(一社)Food Communication Compass代表。東京海洋大学非常勤講師。食品安全、食品表示、消費者問題について講演や執筆活動を行っており、消費者庁や厚生労働省の検討会の委員も務める。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。08コーポロ2020年4月号