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教えて!森田さん?食の安全・安心情報を科学的視点で、皆さんに分かりやすくお伝えするコラムです。今月のテーマ食物アレルギーの危険性食物アレルギーは、卵や牛乳など特定の食品を食べると過剰な免疫反応が起こり、身体がかゆくなる、咳が出るなどさまざまな症状を引き起こすものです。人によってはショック症状などの重い症状になることもあり、2 012年には学校給食で小学生の死亡事故が起き、社会問題にもなりました。食物アレルギーの患者数は年々増加しており、大人になって発症するケースもみられます。暮らしの中で、どのような点に気をつければ良いのでしょうか。加工食品の表示をチェックしよう症状のある人は、まずはアレルギー専門医のいる病院を受診して、アレルギーを引き起こす原因物質「アレルゲン」について調べてもらいましょう。どのような食品で食物アレルギーになるのか、日本では約3年ごとに専門医による全国調査が行われています。発症件数は「鶏卵」「牛乳」「小麦」が上位3位で過半数を占め、「そば」「落花生」「えび」「かに」も重篤例が報告されています。食物アレルギーの人がこうした食品を避けられるように、食品表示法はこれらの7品目を「特定原材料」として、加工食品の原材料欄で表示することが義務付けられています。また、他にも発症例が報告された21品目について「特定原材料に準ずるもの」として表示が推奨されています(表1)。最近、患者数が急増しているのがくるみ、カシューナッツ、アーモンドなどの「木の実類」で、特にくるみはショック症例も多く、今後、義務表示となる予定です。食物アレルギーの方は、加工食品の原材料欄を見て、アレルゲンが含まれるかどうかを必ずチェックしましょう。生協取り扱い商品であれば分かりやすく表示してあり、アレルギーに対応した食品も揃っています。もし、食事の際に「おかしいな?」と感じたら、医師に相談してアレルゲンを調べることも大切です。表1加工食品に表示されるアレルゲン特定原材料(7品目)えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)特定原材料に準ずるもの(21品目)テイクアウト、外食の表示は?アレルギー表示は、容器包装された加工食品および添加物が対象となっており、包装されていないパンやサンドイッチ、対面販売の総菜や店内調理の弁当、外食などは対象外で、表示義務はありません。このため、間違っていても直ちに違反とはなりません。表示ミスで事故につながるケースもみられますので、利用する場合は十分に確認するなど、注意が必要です。事業者がきちんと表示し、消費者もそれをチェックすることで、食物アレルギーの事故が少しでも減ってほしいと思います。執筆者PROFILE消費生活コンサルタントもりた森まき田満樹アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン消費者団体(一社)Food Communication Compass代表。消費生活コンサルタント、東京海洋大学非常勤講師。食品安全、食品表示、消費者問題などで、講演や執筆活動を行っている。国の審議会・検討会は、消費者庁・食品表示一元化検討会委員、食品添加物制度に関する検討会委員、厚生労働省・食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会委員など。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。08コーポロ2020年10月号