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概要

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教えて!森田さん?食の安全・安心情報を科学的視点で、皆さんに分かりやすくお伝えするコラムです。今月のテーマ『食べるなキケン』のウソ・ホント専門家と消費者の意識差食品安全委員会の調査で意識差が明らかに食品添加物や農薬、化学物質など、食の安全についてのさまざまな情報を、専門家はどう考えているのでしょうか。内閣府の食品安全委員会は、2015年に「一般消費者(インターネット調査):全国の20代以上の男女計3,600人」と、「食品安全の専門家(メール調査):食品安全委員会専門委員161人」に調査をしました。質問は「健康への影響に気を付けるべきと考える※項目」について、19項目1の中から、その必要性の大きい順に10位まで順位を付けてもらうものです。※1 1.病原性微生物2.フグ毒・キノコ毒などの自然毒3.BSE(牛海綿状脳症)4.農薬の残留5.食品添加物6.動物用医薬品の畜産物への残留7.アクリルアミド・クロロプロパノールなど8.食品容器からの溶出化学物質9.カビ毒10.カドミウムなどの自然界の金属元素11.ダイオキシン類12.遺伝子組換え食品13.輸入食品14.アレルギー15.健康食品・サプリメント16.タバコ17.飲酒18.偏食や過食19.その他意識差をもとにリスクコミュニケーションを以上の結果より、専門家、消費者とも関心が高いのは食中毒でしたが、それ以外は意識にかなりのギャップがあることが分かります。この調査は、食品安全委員会がリスクコミュニケーションに役立てるために行われたものです。食品安全委員会のWebサイトを見ると専門用語が多く、専門家のメッセージはなかなか消費者に届きません。両者の意識差を踏まえて、専門家は消費者が心配していることについてもっと分かりやすく説明して、リスクコミュニケーションに取り組んでほしいと思います。食品安全委員会「食品に係るリスク認識アンケート調査の結果について」http://www.fsc.go.jp/osirase/risk_questionnaire.data/risk_questionnaire_20150513.pdf※結果は項目ごとに中央値2の順位を比較し、最も多かったのが一般消費者では「病原性微生物」(半数以上が1位~3位と回答)、専門家は「タバコ」(半数以上が1~2位と回答)でした。専門家は、タバコに次いで病原性微生物で、一般消費者と大きな違いがありませんでしたが、続く過食や偏食、アレルギー、飲酒は、一般消費者は11位以下と順位が低く、意識の差が見られました。一方、消費者の関心は病原微生物に次いで、農薬の残留、食品添加物と続きますが、専門家は10位以下と順位が低いことが分かりました。※2全サンプルを大きい順に並べ替えたちょうど真ん中のデータのこと。例えば「病原性微生物」は、一般消費者の3,600人の回答を1位から順番に並べると、ちょうど真ん中の1,800.5人目(1,800人目と1,801人目の平均)の回答が「3位」です。これは、一般消費者の半数以上が1位~3位と回答したことを意味します。執筆者PROFILE消費生活コンサルタントもりた森まき田満樹消費者団体(一社)Food Communication Compass代表。消費生活コンサルタント、東京海洋大学非常勤講師。食品安全、食品表示、消費者問題などで、講演や執筆活動を行っている。国の審議会・検討会は、消費者庁・食品表示一元化検討会委員、食品添加物制度に関する検討会委員、厚生労働省・食品用器具及び容器包装の規制に関する検討会委員など。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。08コーポロ2021年1月号