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概要

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親から子へ、伝統のバトンタッチ。▲収穫期の長い「万願寺とうがらし」。取材時は大人の腰丈ほどの高さでしたが、最盛期になると支柱の上部いっぱいに枝を伸ばします足を運んでくれたそう。『中本農園を当てにしている』という組合員さんの話も耳にするので、うれしいですね。やりがいがあります」。そう話すのは、上賀茂にある中本農園の5代目・中本勇気さん。父親の和仁さん、母親の佳枝さんの3人で農業を営んでいます。中本農園と京都生協の付き合いは、地産地消のコーナーができるずっと前の、昭和の終わりごろから続いています。当時、佳枝さんが「振り売り」に行っていたお客さんの一人が京都生協の組合員で、その紹介で旧・烏丸組合員センター(現・コープ御所南)に野菜を卸すようになったのがきっかけです。「振り売り」とは、農家が得意先へ直接農産物を売る販売方法。京都の中心部では、洛外の農家が洛中の家々を回る伝統的な商いとして今も続いています。産直の先駆けともいえるこの「振り売り」。顔の見える関係が、商品を通じた生産者と組合員のつながりに一役買いました。「一時は、うちの農産物の9割を生協に納めていました。組合員さんが畑に来てくれて、一緒に作業をしたこともありましたね」と、和仁さんは懐かしそうに話します。父から息子へ家族の絆を原動力に現在、中本農園では年間20種類以上の作物を栽培しています。勇気さんが高校を卒業し、本格的に農業に従事するようになったのが16年前。その頃から徐々に手掛ける品目を増やしていきました。「以前は、賀茂なすやすぐきを上手につくることに専念していました」と和仁さん。勇気さんは父の『好きにすればいい』の言葉を支えに、品目を増やし、いろいろな栽培方法にチャレンジしてきました。上賀茂は若い世代の生産者が多く、周りと助け合いながコーポロ2021年9月号