ブックタイトルbookcopolo2110

ページ
12/16

このページは bookcopolo2110 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

bookcopolo2110

教えて!森田さん今月のテーマ食の機能性食品とは?トクホとの違いは?執筆者PROFILE消費生活コンサルタントもりた森ま田満樹消費者団体(一社)Food CommunicationCompass代表。消費生活コンサルタント、東京海洋大学非常勤講師。食品安全、食品表示、消費者問題などで、講演や執筆活動を行っている。著書は『新しい食品表示がわかる本(女子栄養大学出版部)』『食品表示法ガイドブック(ぎょうせい)』など。きスーパーの店頭で「機能性表示食品」と書いてある商品を見ることがあります。「特定保健用食品(トクホ)」と呼ばれる食品もあるのですが、どこが違うのでしょうか。な商品を見かけるようになりました。表示には届出番号が義務付けられており、消費者庁のWebサイトの情報公開データベースにこの番号を入力すると、詳細情報を知ることができます。※機能性表示食品審査はなく届出のみ機能性表示食品の「機能性」は、身体への有効性という意味です。健康食品のうち、国が有効性について表示してもよいと認めているのが特定保健用食品(トクホ)、機能性表示食品、栄養機能食品の3つで、これらをまとめて「保健機能食品」と言います(図)。トクホは安全性と有効性について国が審査を行い、審査にパスしたものだけを許可している食品で、トクホマークが目印です。例えば、おなかの調子を整えるヨーグルト、血圧が高めの方向けのお茶などがあります。1995年に制度ができ、2021年6月までに1,076品が許可されています。丁寧に審査されるので、許可までに時間もお金もかかります。機能性表示食品は2015年にスタートした新制度です。事業者の責任で科学的根拠に基づいた安全性・機能性などの情報を消費者庁長官に届け出て、受理されると機能性が表示できます。トクホのような審査はなく、許可マークはありません。2015年に創設されて2021年6月までに4,000件近くが届出されています。審査がないのでトクホよりもハードルが低く、スピーディに商品化されています。機能性表示食品は生鮮食品、加工食品、サプリメント形状などさまざまな形態で販売されています。例えば、内臓脂肪を減らす機能のりんご、免疫機能を維持する乳酸菌を含んだ飲料水など、トクホよりも機能性の範囲が広く、さまざま選ぶなら保健機能食品を栄養機能食品はビタミンやミネラルなど、国が指定する栄養成分を一定の基準量含む食品が対象となります。例えば、「ビタミンDは腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です」など決められた機能性を表示できます。健康食品を利用する際は、保健機能食品のように国や事業者による安全性や機能性の裏付けがあることが製品を選ぶ際の一つの目安です。中でもトクホは国が1つひとつ審査をして許可をするもので、もっとも信頼度が高いと言えるでしょう。保健機能食品は、「機能性に関する表示(トクホの場合は許可表示、機能性表示食品の場合は届出表示など)」「1日当たりの摂取目安量」「摂取のうえでの注意事項」などの表示が義務付けられています。必ずチェックするようにしましょう。健康食品は、口コミや広告で選ぶ方も多いかもしれません。保健機能食品以外の健康食品は機能性を表示できず、機能性をにおわせるイメージが書かれています。利用者の体験談など魅力的なことが書かれていますが、惑わされないようにしたいものです。*消費者庁「機能性表示食品の届出情報検索」https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/foods_with_function_claims/search/コーポロ2021年10月号