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甘みのある味と香り、いとうまし▲今夏の田んぼの様子。「春の長雨などの影響を心配しましたが、順調に生育しています」と辻さんを行う「国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構」と共同で新品種の開発をスタート。保有する品種候補を数種類、京都府農林水産技術センターなどで試験的に栽培し、暑さや病害虫への耐性、品質、収量などを細かくチェックしました。中でも、特にこだわったのが食味検査。「京都料理めばえ芽生会」会員の京料理人やお米マイスター※2が集まり、味や香りをもとに系統※3の選定を重ねること3年。そうして絞り込んだ系統が、待望の新品種に決定しました。2020年には、新品種を試験栽培し収穫。試食した京料理人からは、味・香り・見た目のいずれにおいても高い評価を得ました。新品種はその香り高さから、薫りの物語と言われる「源氏物語」の作者・紫式部をモチーフに「京式部」と命名。「華やかで平安の雅を感じられる品種になるように」との想いが込められました。京都でしか食べられないお米おすすめは「白ご飯」!「京式部」は、甘みのある味と香りのほか、大粒で白くつやがあり、お茶碗に盛りつけた時の見栄えにも優れています。開発に携わった人たちは、「白ご飯が一番おいしい。主食にぴったり」と太鼓判。この品質を維持するため、独自の統一栽培基準を設けています。ま例えば「遅播き・遅植え」にすることで、稲穂の中で米粒が太っていくタイミングがお盆の最も暑い時期になることを避け、米の品質を確保しています。また、化学合成農薬・肥料の使用を地域の慣行レベルの半分以下に減らす「特別栽培米」仕様で環境に配慮。病気を防ぐための種もみの消毒を、農薬の代わりに温湯で行ったり、害虫のカメムシの発生を抑えるため、こまめに畔の草刈りを行っています。さらに、通常一気に行う脱穀した米の乾燥を、2段コーポロ2021年10月号