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見る#ミステリアスな京都あやかしスポット

2023.07.14 狸谷山不動院

狸に招かれて 眼光するどいお不動さん詣り

一乗寺の奥山へ足を踏み入れると、まるで自然と一体化するように佇む石の鳥居が見えてきます。手前には、無数の狸の置物たち。「タヌキダニのお不動さん」と呼ばれる狸谷山不動院の入り口です。250段ある階段の先に安置された本尊の咤怒鬼(たぬき)不動明王には、ガン封じや交通安全、厄除けのほか、「他抜き」のご利益があるとされ、スポーツ選手も多く訪れるのだとか。
お寺の歴史は江戸時代、木食正禅上人(もくじきしょうぜんしょうにん)がこの狸谷の洞窟に不動明王の石像を安置し、修行したことに始まります。その後時を経て約230年の間は衰退していましたが、昭和19年に再興され、現在に至ります。
(写真下:本堂)

参道を含め境内のいたるところにある狸の置物はその数約300体ほど。これらはすべて参拝者が置いていったものだそう。狸たちの表情が普通の置物よりも生き生きとしているように感じるのは、人々の「お不動さん」への想いが込められているからかもしれません。

立派な懸崖(けんがい)づくりの本堂内陣が、不動明王の安置された洞窟となっています。見る者すべての心を射抜くような不動明王の眼光は、一度見たら忘れられない迫力。
専門調査によると、この不動明王の視線は、なんと高野山真言宗総本山 金剛峯寺付近を見据えているそうです。当時の技術では不可能であろう精度のため、偶然だというのが学術的な結論なのだとか。しかし、不動明王の力強い眼力を目の前にすると、なにか不思議な力が働いたのではと信じたくなります。
※内陣は特別参拝時期のみ公開。特別参拝の日程は公式ホームページ・SNSにてご確認ください。

階段途中で参拝者をお迎えするお迎え大師(弘法大師像)。木々の緑が茂り静謐な山の中は、真夏でもどこかひんやりと涼しげな空気を感じます。

京都の人は、狸谷山不動院のステッカーを貼った車を見かけることも多いかもしれません。交通安全自動車祈願殿では、通常10時~15時の1時間ごとに御祈祷が行われます。

毎年7月28日に行われる「火渡り祭」。家内安全・無病息災を願い、柴灯護摩の炎が燃え上がります。
約20名の山伏が残り火の上を素足で渡る火渡り行には、一般参拝者も参加可能。山伏の導きで安全に参加できるので、ぜひ挑戦してみては。

境内には、そのほかにも宮本武蔵が修行したとされる滝やトイレの神様として信仰されるウスサマ明王など見どころいっぱい。
この夏は、知る人ぞ知る狸の待つ山寺 狸谷山不動院にお詣りしてみませんか。

Informations

京都市左京区一乗寺松原町6
TEL:075-722-0025
時間 10:00~15:00
お休み:なし
料金:入山料500円
◎市バス「一乗寺下り松町」下車、徒歩約20分
*火渡り祭
7月28日19時~
場所:本殿前にて
料金:夜間特別入山料1000円
※通常拝観時間10:00~15:00は通常の入山料500円
・催事特別駐車料金1000円(7/28のみ適用されます)
・数量限定火渡り手ぬぐい無料配布

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