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つくる遊ぶ#学びの秋。京都の伝統技術に触れよう
2023.09.29 京こま雀休(じゃっきゅう)
幻の遊び文化を現代に伝える唯一の工房
「京こま」とは、竹の軸に着物の生地や布を巻き付けて作る伝統工芸品。もとは安土桃山時代の公家の女性たちのお座敷遊びから始まったそうです。
時を経て昭和の頃には観光土産品として親しまれましたが、昔ながらの遊びが廃れていく時流とともに、一時は工房がすべて廃業となり、京こま文化は消滅の危機を迎えたことも。そんな中、京こま職人だった父をもつ中村さんは、京こまを後世に伝えたいとの思いから、京こま雀休を立ち上げました。現在でも世界でただ一つの京こま工房から、その魅力を精力的に発信しています。
工房では京こまづくり体験ができます。
15色の色紐の中から好きな色を4色選んで。
接着材をつけるのは紐の巻き始めと巻き終わりだけ。集中力のいる作業です。巻きがゆるいとこまの回り方が悪くなってしまうので、強めに巻いていきます。
巻き終えたら、形と角度を整えてすり鉢状に。全体のバランスや実際の回り具合をみて調整したら、定着材でコーティングします。
10~15分ほど表面を乾かしたら乾燥台からはずしてOK。色鮮やかな京こまの完成です。
木綿や西陣織など、紐の種類がさまざまなのも京こまの特徴。かつては京こま専用の紐があったわけではなく、その時に流通していた紐が使用されていたそうです。菓子折りの箱用の紐なども使われていたのだとか。
下の写真は西陣織の紐。
お正月遊びのイメージも強いこまですが、中村さんは「一年を通して身近に感じてほしい」と、野菜やフルーツ、お雛様や祇園祭など、季節や行事にちなんだユニークなデザインの京こまもたくさん生み出しています。
店内には、伝統的なこまから遊び心あふれるものまで、たくさんの京こまが並びます。
一度は途絶えかけた京こま文化。雀休の京こまづくり体験で、その貴重な工芸技術に触れてみませんか。
Informations
京都市中京区神泉苑町1
TEL:075-811-2281
時間:11:00~18:00
お休み:日・月曜
◎地下鉄東西線「二条城前」から徒歩約5分
*京こまづくり体験
所要時間:30分~1時間半
料金:内容により異なる
予約:電話またはWEBサイトから要予約