60周年

ユニセフのとりくみ


©UNICEF/UNI374557/IJAZAH ©UNICEF/2020/Tin Aung

京都生協は、1989年度からユニセフのとりくみを始めました。多くの子どもたちが5歳になる前に死んでしまうというアジアやアフリカ。「子どもが健康に育ってほしい」そんな願いで国を越えて手をつなぎあったとりくみが、ユニセフです。地球上でおこっているさまざまな問題を「私の問題」としてとらえ、共に考え、行動をおこしていきましょう。


地球レベルでの助け合い活動として、募金活動を中心にとりくんでいます

募金活動を開始した最初の年(1989年)に、1022万円の募金が集まりました。その募金を日本ユニセフ協会に贈呈する段になり、「このような大金がどこでどのように使われるのかを知りたい」という声があがりました。 そうした声を反映する形で、1990年から「指定募金制度」に参加するようになりました。「指定募金」は、募金が一定額を満たせば、日本ユニセフ協会と話し合って、特定のプロジェクトを指定できるというものです。京都生協は、ラオスの「女性開発プログラム(1992-1997)」を指定しました。最初は、京都生協単独でおこなっていましたが、今では参加生協が増えて18生協のとりくみへと広がっています。

一般募金と指定募金の違い

ユニセフの一般募金は、保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護など、150以上の国と地域で行われるユニセフの活動全般を支える募金です。一方、指定募金とは、特定の活動分野や活動を行っている国・地域を指定して支援する募金です。

「ラオス指定募金」から「ミャンマー指定募金」へ

1990年から25年継続して取り組んできた「ラオスへのユニセフ指定募金」ですが、ラオス指定募金に取り組む18生協でつくる「ユニセフ指定募金連絡会」では、2014年度をもってラオスへの指定募金を終了することを決定しました。

そして日本ユニセフ協会と日本生協連からの提案を受け、ミャンマーの「女性と子どものための栄養支援」プログラムを2015年度から指定募金先として決定しました。

ラオス指定募金でおこなってきたこと、終了する背景

これまでに
『女性開発』プログラム(1992~1997年度)
『女性と家族のための開発』プロジェクト(1998~2001年度)
『乳幼児と女性と家族のための開発』プロジェクト(2002~2005年度)
『女の子と女性の立場の向上』プロジェクト(2006~2011年度)
『初等教育平等化』プロジェクト(2012~2014年度)
を支援してきました。

この間に、5歳未満児の死亡率(2010年)が1990年対比で約3分の1になり、小学校の最終学年まで残る女子生徒の比率<2010年)が1992年対比で約2倍になるなど、ラオスの子どもや女性を巡る指標が確実に改善されてきたことから、2014年度をもって生協のラオス指定募金はいったん終了することになりました

なぜ、ミャンマーを支援するの?
ミャンマーでは支援を受け入れる体制は整っているの?

2011年3月の新政府発足以降、ミャンマーに対する経済制裁を欧米が緩和し、近年では経済成長のイメージも強いミャンマーですが、実は、急性・慢性栄養不良、ビタミン・ミネラル欠乏症にかかっている女性と子どもの割合が非常に高い現実があります。5歳未満児の死亡率も2011年時点の数値は1000人中62人でラオス(1000人中42人)よりも悪い状況でした。『女性と子どものための栄養支援』プログラムでは、栄養不良の割合が特に高い農村地帯で、乳幼児や妊娠中、授乳中の女性を対象に栄養改善のための支援を予定しています。

また、ユニセフは1950年以降、軍事政権への経済制裁下で、2国間援助が難しかった期間も含めて、ミャンマー政府や地元のNGOなどをパートナーに長期的かつ継続的に直接子どもに届く支援活動を続けてきました。こういった実績からもミャンマーには支援を受け入れる体制は整っていると言えます。


ミャンマーの子どもと女性の現状

指標
ミャンマー
日本
5歳未満児死亡率(2013年) 出生1000人中51人 出生1000人中3人
5歳未満児死亡率の順位(2013年) 196か国中50位 196か国中185位
5歳未満児年間死亡数(2013年) 4万6000人 3000人
出生時の平均余命(2013年) 65歳 84歳
妊産婦死亡率(2013年) 10万人中200人 10万人中6人

●『ミャンマーの女性と子どものための栄養支援』プログラムの内容

 1.母乳育児を推進するボランティア指導員の育成
村のボランティアに対して、母乳育児を推進するための研修を行います。乳幼児の食習慣(特に完全母乳育児や離乳食について)、石鹸での手洗いや野外排泄禁止などを含む衛生教育などを学び、今度は自ら各村で母親たちに指導します。

 2.微量栄養素を乳幼児と妊娠中・授乳中の女性に配布
妊娠中・授乳中の女性と6~35か月の乳幼児を対象に配布します。

 3.乳幼児への食育に関する調査の実施
完全母乳育児の早期開始比率、衛生行動<手洗いの実施状況など>を中心に調査します。

 4.モニタリングと評価
ユニセフ職員および現地のパートナーと定期的に進捗を確認し、年に一度振り返りの定例会議を実施します。

たとえば、こんな支援ができます。

経口補水塩は下痢による脱水症状を和らげることができます。100円で14袋買えます。


(C)日本ユニセフ協会ORS+sachet

ビタミンカプセルは、ビタミンB1が不足しがちな妊娠中のお母さんに有効です。100円で17錠分となります。


(C)UNICEF_UNI178513_Blair