コープのお店の地場野菜
商品ものがたり
コープのお店の地場野菜
●店舗のみ取り扱い
(中本農園の野菜はコープ御所南、コープいわくらにて取り扱い)
コープのお店の一角にある「地産地消コーナー」には、新鮮な旬の野菜がずらりと並んでいます。ぜ~んぶ地元の生産者の名前付き。
“ 指名買い” する組合員もいるくらいの人気を誇っています。
組合員の願いが生んだ
「地産地消コーナー」
コープのお店の「地産地消コーナー」は、「地元の新鮮な野菜が食べたい」という組合員の要望に応えて始まった、京都生協の取り組みの一つです。2013年、「コープさがの」から始まり、2015年には全店で展開。現在、約200人の生産者がコーナーを支えています。生産者との取引には、地産地消担当の職員が畑を訪ね、農業や地域への想いを話し合うことが必須。文字通りの“顔の見える関係”となった生産者の手で、穫れたての野菜を袋に詰め、価格を決めて、直接店頭に運び込み、売り場に並べられています。
組合員がつないだ農家と生協の縁
「以前、野菜の納品の時に組合員さんから『いちごはありますか?』と尋ねられました。翌日納品予定だったので、『すみません、明日持ってくる予定です』と答えたのですが、聞けばいつものコープのお店で品切れだったので、うちのいちごを求めてわざわざ足を運んでくれたそう。『中本農園を当てにしている』という組合員さんの話も耳にするので、うれしいですね。やりがいがあります」。そう話すのは、上賀茂にある中本農園の5代目・中本勇気さん。父親の和仁さん、母親の佳枝さんの3人で農業を営んでいます。中本農園と京都生協の付き合いは、地産地消のコーナーができるずっと前の、昭和の終わりごろから続いています。当時、佳枝さんが「振り売り」に行っていたお客さんの一人が京都生協の組合員で、その紹介で旧・烏丸組合員センター(現・コープ御所南)に野菜を卸すようになったのがきっかけです。
「振り売り」とは、農家が得意先へ直接農産物を売る販売方法。京都の中心部では、洛外の農家が洛中の家々を回る伝統的な商いとして今も続いています。産直の先駆けともいえるこの「振り売り」。顔の見える関係が、商品を通じた生産者と組合員のつながりに一役買いました。
「一時は、うちの農産物の9割を生協に納めていました。組合員さんが畑に来てくれて、一緒に作業をしたこともありましたね」と、和仁さんは懐かしそうに話します。
収穫期の長い「万願寺とうがらし」。取材時は大人の腰丈ほどの高さでしたが、最盛期になると支柱の上部いっぱいに枝を伸ばします
父から息子へ家族の絆を原動力に
現在、中本農園では年間20種類以上の作物を栽培しています。勇気さんが高校を卒業し、本格的に農業に従事するようになったのが16年前。その頃から徐々に手掛ける品目を増やしていきました。
「以前は、賀茂なすやすぐきを上手につくることに専念していました」と和仁さん。勇気さんは父の『好きにすればいい』の言葉を支えに、品目を増やし、いろいろな栽培方法にチャレンジしてきました。上賀茂は若い世代の生産者が多く、周りと助け合いながら切磋琢磨しています。「毎年チャレンジの連続」と笑う勇気さん。店舗に納品するのは勇気さんの仕事で、「売り場で、他の野菜の値段や並べ方などを見て、参考にしています」と話します。
中本農園は、なるべく農薬の使用を抑え、ボカシ肥料※を使用するのがこだわり。「40年以上農業に携わってきても、思い通りにいかないことは多い。息子の農業には驚くこともあるけれど、挑戦も大切」と和仁さん。作付前には家族会議を開くという中本農園の農産物は、家族の絆のたまものです。
「地産地消コーナー」では、生産者の紹介プレートを掲示。「一生懸命つくったおいしい農産物を食べてほしい」という想いがあふれています。“顔の見える関係”ならではのおいしさを味わってみてください。
※油かすや米ぬかなどの有機肥料に、土やもみ殻などを混ぜ発酵させて作る肥料のこと
生産者のおうちごはん
万願寺とうがらしと
じゃこの炊いたん
【材料】
万願寺とうがらし…200g
ちりめんじゃこ…大さじ2 ~ 3
【A】酒…大さじ2、しょうゆ…大さじ2
【つくり方】
1. 万願寺とうがらしをざく切りにする
2. 鍋に油大さじ1 を熱し、強めの中火で1をしんなりするまで炒める
3. 2 にちりめんじゃこを加え、全体がなじんだらAを加え、炒め混ぜながら中火で水分を飛ばす
4. 照りが出て水分が鍋底に少しだけになったらできあがり
ポイント!
柔らかく炒めて、しっかり煮詰めること!