土付大根
商品ものがたり
土付大根
●宅配・店舗にて取り扱い
宅配では2 月2 回まで取り扱い予定
※収穫状況などにより、前後することがあります
「炊くと、とろとろにやわらかくなっておいしい」と評判なのが「産直 土付大根」。琵琶湖の東側に広がる大中(だいなか)の湖(こ)干拓地※1を中心にした畑で栽培されています。良質の食物繊維が豊富で、水分たっぷりの新鮮な大根だからこそ、煮汁をよく含み、やわらかく炊き上がります。
「粘土質の土壌なので有機肥料がゆっくりと作用し、じっくりとうま味をため込みながら成長します。しかも、畑があるのは、京都の市街地から車で約1時間半の場所。出荷のタイミングによっては、朝収穫したものが翌日には店頭に並ぶこともあるんですよ」と大中農友会の道尾芳和さん。
外葉が垂れ、中心部の葉が開いてきた時が収穫適期
「土付き」の価値は生協から
生産者グループの大中農友会は、1970 年代に結成。当初から農薬や化学肥料の使用に疑問を持ち、環境に配慮した農業に取り組んできました。
「産直 土付大根」は、1984 年に誕生。「新鮮な大根を組合員に食べてほしい」との思いから、「畑
の土を付けたまま」という当時としては画期的な商品が生まれました。店頭に並ぶ大根は、きれいに洗ってあるのが当たり前。しかし、収穫した大根の泥を落とすためにブラシでこすって洗うと、細かな傷は避けられず、その傷のせいで乾燥したり、傷を修復するために大根自身がエネルギーを使うことになってしまいます。
「当時〝土付大根〟の価値を分かってくれたのが京都生協。しかも、その魅力を広めてくれたのは、組合員の皆さんでした。店頭や宅配の荷下ろし場所で、『大根が入っている袋のまま、家の涼しいところに置いておいたらええんよ』『葉っぱは、すぐに切り落としておかな、大根がおいしくなくなってしまうねん』そんな会話が交わされ、私たちの出る幕がないくらいでした」と道尾さんは振り返ります。
初夏から始まるこだわりの生産
収穫期は、11月から翌年3 月中旬まで。さかのぼること6 月半ば、畑の準備が始まります。よく耕して元肥(もとごえ)の鶏糞(けいふん)を入れて土壌作り。うねを作り、9月初旬から収穫時期を見越しながら種まきを開始。発芽後の間引き、中耕(ちゅうこう)※2、油粕(あぶらかす)の追肥(ついひ)、草取りなど生育状況を見守りながらの作業が続きます。
11 月に入ると、ずっしりと太った大根がうねの土を割って姿を見せ、いよいよ収穫。手作業で抜いて、土をぬぐって、その場で専用の袋に入れていきます。「規定は1 ㎏あれば十分なのですが、『大きいのを食べてほしい』と思って、より重たくて立派なのを袋に詰めてしまう」というのが生産者の〝あるある話〟。家庭で洗い落とすのが手間に思われがちな「土」は、こだわりとおいしさの証なのです。旬の味を堪能してください。
※1:干拓地 水深の浅い湖を干上がらせてつくった土地
※2:中耕 生産する途中において、空気の通りをよくするため浅く耕すこと
季節を楽しむ
四季彩レシピ
大根とりんごと生ハムのカルパッチョ
【材料】(2人分)
- 大根 150g、
- りんご 1/4個、
- 生ハム 4枚、
- A=オリーブ油 大さじ1、レモン汁 小さじ1、塩・こしょう 各少々
- 塩・ディル 各適量、
【作り方】
- 1. 大根は薄切りにする。塩をふって約10分置き、水気をしぼる。
- 2. りんごは薄切り、生ハムは食べやすく切る。
- 3. 器に1、2を盛り、混ぜ合わせたAをかけてディルを散らす。
表紙:大根手まり寿司の作り方
丸く握った酢飯の周りを酢漬けにした大根で花びらのように覆い、すりおろしたゆずの皮をのせました。