すし酢
商品ものがたり
すし酢 360ml
宅配にて3月2回・4回、4月4回取り扱い
店舗にて取り扱い
※企画回、規格ともに変更になる場合があります
生き残りをかけた大転換ですし酢の一般市場へ
光に透かすと、きらりと飴(あめ)色に輝く美しい姿。昔ながらのガラス瓶に巻かれたラベルには「孝太郎の酢」の文字。まろやかな味わいで長年愛されている「すし酢」は、「孝太郎の酢」の愛称で知られる老舗「有限会社 林孝太郎造酢」がつくる逸品です。
京都・西陣の閑静な住宅街の中、趣のある町屋で、林孝太郎造酢は酢の製造を180年以上続けています。もともとは西陣織の色止めに使われる酢をつくっていましたが、3つにのれん分けしたうちの1つが業務用の食用酢をつくることに専念し、これが林孝太郎造酢の前身となりました。時は流れて1970年代、もとは一般企業に勤めていた3代目・林孝治さんが後を継ぎ、「このままでは生き残れない」と一念発起。数々の商品開発を行い、製造の主軸を一般向け商品へ舵を切る大革命を行いました。現社長の林孝樹さんも先代の意思を継ぎ、時代のニーズをつかんだ商品開発を積極的に行っています。
西陣の地で180年以上酢をつくり続ける林孝太郎造酢。この町屋は京都市の歴史的建造物に登録されているそう
最大の危機を救ったのはご縁でつながった人々の想い
すし酢が開発された1985年、当時はうま味調味料で風味をつけた、大手メーカー開発の手頃なすし酢が広く使われていました。一方で、林孝太郎造酢のこだわりは今も昔も「うま味調味料を使わず、まろやかなうま味を素材から引き出す」こと。「うちは規模も小さく、大量生産には不向きです。安定した品をたくさん供給できる大手メーカーもあるからこそ、私たちのような時間と手間をかけるメーカーがあってもいいんじゃないか、と思っています」と林さん。コツコツとこだわりのすし酢をつくり続けていたところ、知り合いを通じて噂を聞いた当時の京都生協の担当者から、共同開発の声がかかりました。
こうして誕生したすし酢には、今日に至るまでに大きな危機がありました。2003年に、コープきんきが誕生した際、各地域生協オリジナル商品を統合する動きがあり、その中で「すし酢」の統合も検討されました。しかし、当時の京都生協バイヤーの「すし酢は、老舗が守ってきた京都ならではの味。これからも京都生協に必要な商品です。ぜひこのまま残したい」という熱い想いが伝わり、すし酢は残されることに。
その後も、林孝太郎造酢は地道にていねいな商品づくりを続けました。その粘り強さが実を結び、京都の組合員から「やっぱりすし酢はこの味」と支持を集め、今や京都生協コープ商品のなかでも人気上位※にランクイン。京都生協を代表する商品の1つとなりました。
※2022年度実施「京都生協コープ商品総選挙」結果より。約70商品のうち、すし酢は7位に。
ネットの中には、味の決め手となる北海道産の昆布がぎっしり。とてもぜいたくなだしを使っています
京都の組合員が好む甘く、奥深い味わい
組合員が「すし酢はこの味じゃないと!」と言ったおいしさの秘密は、昆布だしにあります。塩と砂糖を加えたコクのある醸造酢に北海道産の昆布を惜しみなく漬け込み、10~14日かけて、ゆっくり、じんわりと昆布のうま味を酢に移していきます。味の確認は職人の舌。長年の経験と鍛えた味覚で、微調整を行います。
寿司は地域性が顕著な食べ物で、関西は箱寿司文化から保存性の高い、砂糖のきいた甘めの味付けが好まれます。「さらに、同じ関西地域でも大阪と京都ではだしの好みが違うんです。すし酢は京都の方の口に合う、まろやかな昆布だしのきいた味付けにしました」と林さん。昆布だしと砂糖から生まれるとろみのおかげで、少量でもご飯にしっかり絡み、酸味や塩気を抑えた、しっとりと上品な酢飯に仕上がります。
ハレの日の特別な手づくり寿司にも、普段の料理の隠し味にも。ご縁がつないだ伝統と革新の味を、ぜひご賞味ください。
- 鯛(刺身用短冊) 150g
- 人参・菜の花 各30g
- 新玉ねぎ 1/8個
- A=すし酢・オリーブオイル 各大さじ2、
しょうゆ 小さじ1/2、塩・こしょう 各少々 - 粗びき黒こしょう 適量
鯛のカルパッチョ〜人参ドレッシング〜
調理時間:約15分
1人分:カロリー 246kcal 塩分 1.9g
(2人分)
- 1. 鯛は薄いそぎ切りにする。
- 2. 菜の花はサッとゆで、4cm長さに切る。玉ねぎは薄切りにして水にさらし、水気をきる。
- 3. 人参はすりおろし、ボウルにAと共に入れて混ぜ合わせる。
- 4. 器に1、2を盛り、3をかけて粗びき黒こしょうをふる。