紅しょうが(千切り・みじん切り)
商品ものがたり
梅酢から手づくりする
食感と風味の生きた紅しょうが
焼きそば、お好み焼き、たこ焼きといった夏祭り定番の粉もんに欠かせない紅しょうが。いつもは脇役と思いがちですが、「 紅しょうが(千切り・みじん切り)」を口にすると、主役級の存在感にびっくり。シャキッとした食感と梅酢のさっぱりとした酸味があとを引き、ついつい箸が止まらなくなるおいしさです。
誕生は1994年、京都生協30周年事業の一環として、京都の漬物メーカー「株式会社丸漬」を通じて、奈良県吉野郡にある「永井漬物製造所」で誕生しました。「国産の原料にこだわってつくっています。元々は奈良でつくられた農作物を生かせないかと考えたのが始まりです。今も梅酢の梅は奈良県産を使用しています」と話してくれたのは、永井漬物製造所3 代目社長の永井利治さん。かつて奈良県の明日香村はしょうが、下市町(しもいちちょう)や五條(ごじょう)市では梅や赤紫蘇が盛んに栽培されていました。そこで、しょうがだけでなく漬け込みに使用する赤紫蘇や梅酢に至るまでを一から手づくりした紅しょうがを考案。着色料が使われることの多かった当時としては珍しく、味にも原材料にもとことんこだわり抜いた紅しょうがが生まれました。やさしい紅色は、赤紫蘇の自然な色味。味に深みのある梅酢を、惜しげもなく使用したぜいたくな一品です。
少しでも気を抜くと雑菌が繁殖して全てが台無しになってしまう製造工程。この道30年になる永井さんも、最初は苦い思いをしたのだとか
細かなレシピはなし!
長年の経験で味を守る
現在使用しているしょうがは全て国産もの。火山灰のミネラルを豊富に含んだ黒土で育てられた、香り高い長崎の島原産しょうがを中心に仕入れています。収穫から2日で届いたしょうがを新鮮なうちに素早く塩漬けにし、じっくりと熟成させることがおいしさの秘訣です。塩漬け期間は60日から約1年半までが最適。やわらかさを確かめ、食感を味わい、熟成具合を見極めています。たくさんの水を使う工場の中は、夏でもひんやり。「冬は感覚がなくなるほど寒いですが、しょうがを触ると手がぽかぽかするんですよ」と話す永井さんの手は、大きく厚くまさに職人そのもの。長年かけて培った繊細な感覚が製造に生かされています。
千切りとみじん切り、合わせて年間11tの紅しょうがを製造。1樽から約175袋分が詰められます
まるで「昔、おばあちゃんが
漬けていた紅しょうがの色と味」
塩漬け後は、千切り用とみじん切り用にカットし、塩抜きをしてから本漬けへ。梅干しを製造する際にできる自家製梅酢と赤紫蘇でつくる、濃厚な赤紫蘇抽出液が「紅しょうが(千切り・みじん切り)」の味と色の大切な決め手になっています。調味液の割合も、原材料の塩梅(あんばい)を自身の舌や目視で見極め微調整。経験がものを言う仕事です。「大変な作業だと言われますが、私にとっては当たり前。おいしいものを届けたい一心でつくっています。紅しょうがは脇役と思い続けていたので、主役と言われるとちょっと照れますね」。永井さんのひた向きな思いが、今日も食卓にやさしい彩りを添えています。
- 鶏モモ肉 1枚(300g)
- ゆで卵 1個
- 紅しょうが(みじん切り) 30g
- 青ねぎの小口切り 大さじ1
- マヨネーズ 大さじ2
- 塩・こしょう 各少々
- A=赤唐辛子の小口切り 1/2本分、しょうゆ・酢・砂糖 各大さじ1と1/2
- 小麦粉・溶き卵・油 各適量
チキン南蛮 紅しょうがタルタルのせ
調理時間:約20分
1人分:カロリー 343kcal 塩分 2.5g
(2~3人分)
- 1. 鶏肉は6等分に切り、塩、こしょうで下味をつける。
- 2. ゆで卵はみじん切りにし、ボウルに入れて紅しょうが、青ねぎの小口切り、マヨネーズと混ぜ合わせる。
- 3. 1に小麦粉を薄くまぶして溶き卵をからめ、170℃に熱した油で約4分揚げる。熱いうちに混ぜ合わせたAに漬ける。
- 4. 器に盛り、2をかける。