岩井さんのぶどう
商品ものがたり
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周りに何を言われても、
“種あり”にこだわりたい
食べやすさからニーズが高まり、“ぶどうは種なし”が主流になった昨今、種のあるぶどうは、生産者の間で衰退品種とまで言われています。そんな中、“種あり”の巨峰をつくり続けるのは、長野県で果樹園を営む岩井富夫さん。食べ比べればいっぺんで味の違いが分かる、その名も「岩井さんのぶどう」は、京都生協の店舗バイヤーが特に自信を持っておすすめする「良品セレクト」の1つです。
岩井さんのぶどう畑がある長野県上高井郡(かみたかいぐん)小布施町(おぶせまち)は、半径2kmの円の中にほとんどの集落が入るほどの小さな町。川の流れにより形成された扇状地で、小石を含む水はけの良い土があり、雨が少ない分日照時間が長く、果樹栽培に最適な地です。岩井さんはここでぶどうをはじめ、りんご、桃、さくらんぼなどを育てています。中でもこだわっているのは“種あり”の巨峰。周りの仲間たちからは「な~んで、あんなものつくって~」と言われるそう。それは決して悪口ではなく、種あり品種は栽培管理が難しいから。今ではぶどう農家の10人中9人が種なしぶどうを栽培しています。でも、岩井さんは思うのです。「種ありは必ず残る。おいしさで脚光を浴びる日がくる」と。
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取材を行った5月末時点で、見事な枝ぶりに実がたくさん。ここから大きく育つまでに手をかけ、目をかけ、愛情を注ぎます
まるで干しぶどう?
甘さの秘密は生命力
岩井さんのつくる種あり巨峰の最大の特徴は、そのコクと甘さ。糖酸比(甘み比)と呼ばれる、糖度と酸度のバランスが良く、「干しぶどうみたいに濃厚!」と評する人も。生命力にあふれていて、房から実がポロポロと落ちることがあまりないぶどうです。
そんな自慢の種あり巨峰は、ビニールハウスではなく、青空がまぶしい路地で栽培されています。「今は季節感のない時代。だからこそ、その季節にしか食べられないものをつくりたい」。それが岩井さんの果物づくりに対する想いです。春になると、330坪ある畑全体にわらを敷き詰めます。わらは土の保水性を高め、微生物のえさになり、最後にはわら自体が有機肥料になります。岩井さんの畑の土を掘り返してみると、太ったミミズが驚くほどたくさん。年月をかけて大事につくりあげた土には、パワーがみなぎっています。
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「近年は異常気象の影響で、どんなにぶどう栽培が上手な人でも仕上がりが読めない」のだとか。岩井さん自身も毎年、秋の収穫を心待ちにしています
残るぶどうはたった10%。
木成り完熟のうま味は別格
岩井さんのぶどう畑では最初4万ほどが房をつけますが、そのうち9割を切り落とし、4000房ほどを選んで残します。厳選されたぶどうの房の中で粒を摘み取り、残された粒だけが太陽と大地からの栄養を存分に取り入れ、大きく育ちます。
こうして丁寧に育てられたぶどう。収穫する前に必ず糖度を測ります。岩井さんが決めたルールは糖度18度以上。出荷するギリギリまで木で熟して甘みを蓄えます。毎年9月に入ってからの3週間ほど、京都生協のお店でだけ出会える「岩井さんのぶどう」。貴重な機会を逃さずに、見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。
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- 巨峰 24粒
- 食パン(6枚切) 4枚
- クリームチーズ 80g
- グラニュー糖 大さじ2
- 生クリーム 150ml
巨峰のフルーツサンド
調理時間:約20分
1人分:カロリー 568kcal 塩分 1.2g
(2~3人分)
- 【下準備】
・巨峰は軸の穴側から直径5~6mmのストローを刺し、まっすぐ貫通させて種を取り除く
・クリームチーズは室温に戻す - 1. 食パンは耳を落とす。
- 2. ボウルにクリームチーズ、グラニュー糖を入れて滑らかになるまで混ぜる。生クリームを少しずつ加え、8分立てに泡立てる。
- 3. 食パン2枚に2を1/4量ずつ塗り、巨峰を12粒ずつのせる。
- 4. 残りの2を半量ずつのせて塗り広げ、残りの食パンでサンドする。それぞれラップで包み、冷蔵庫で3時間以上置いてなじませ、4等分に切る。