60周年

蔵出ししもつみかん
商品ものがたり

蔵出ししもつみかん 蔵出ししもつみかん

蔵出ししもつみかん
蔵出ししもつみかん

果宝は寝て待て、いざ表舞台へ 果宝は寝て待て、いざ表舞台へ


ワインのように熟成させて
酸味をまろやかに

 日本の冬に欠かせない果物といえば、みかん。果汁たっぷりの甘酸っぱさ、皮のむきやすさや小ぶりな姿で、子どもから大人まで広く親しまれ、愛されています。そんな身近なみかんのうち、まるでワインのように熟成させてから出荷しているものがあることをご存知でしょうか? それが和歌山県下津地方でつくられる「蔵出しみかん」。京都生協でおなじみの「産直しもつみかん」も、熟成させたものは「産直蔵出ししもつみかん」として1月中旬ごろにお目見えします。
 しもつみかんの農地は、みかんの名産地として名高い有田と山を同じくして、その斜面の北側に多く位置しています。しもつみかんは木に成らせたまま熟させる「木成り完熟」という方法でつくられています。収穫が始まるのは、一般的なみかんの旬と同じ11月下旬ごろ。ただ、収穫したてのしもつみかんは、完熟していても糖度と同じくらい酸度も高め。そこで下津地方の先人たちが編み出したのが、熟成させることで酸味をほどよく抜き、甘みを増す「蔵出し技術」です。

湿度85%、室温5~10℃を保った蔵の中、杉の木箱に入れて1カ月以上眠らせます。下津地方に長年伝わる伝統製法「蔵出し技術」でつくられています。

熟成で魅力を増す、
まるで「ごほうび」な味わい

 畑に据えた土壁の蔵にみかんを1カ月以上眠らせると、みかんは自然の力で甘みを増します。蔵で熟成されたみかんは酸がほどよく抜け、糖度が増し、とろりとコクのあるまろやかな甘さに変貌を遂げます。かむと口の中にじゅわっと濃厚な果汁が広がる、1カ月以上待ったごほうびのような味わいは、この時季にしか味わえない宝物です。
 また、京都生協が取り扱いを始めた40年以上前から、ワックスやエチレンガスは不使用。農薬散布の削減、有機質肥料を中心とした土づくりにも取り組んで栽培しています。

左から、しもつコープファーム組合長の奥野孝さん、みかん農家の戎さんご夫婦、中尾謙一さん。

農林水産大臣から認定された
「蔵出しの技術」

 「傾斜地に独自の石積み技術で段々畑を築き、そこで栽培したみかんを土壁の蔵で熟成させる」という下津地方で生まれた「下津蔵出しみかんシステム」は、農林水産大臣により「日本農業遺産」に認定されています。その方法を継承し、みかん栽培を続けている農家の1人が谷口圭一さんです。昭和48年に先祖代々営まれてきた農園を継ぎ、今年で52年目。“しもつコープファームでいちばん”の表彰を毎年のように受賞されているベテラン農家です。そんな谷口さんでも大けがをしたことがあるくらい、険しい斜面での作業は困難を極めます。「農作業は想定できないことが毎年起こる。それでも頑張ったら頑張っただけおいしいみかんができる。だから、誰にも負けないぞ!という思いでみかんを育てています」と谷口さんは語ります。
 下津の農家の心意気によって支えられてきたしもつみかん。おいしいのはもちろん、小さな子どもの食育にもピッタリなのだそう。しもつコープファーム常勤理事の中西源蔵さんは「しもつみかんは甘みと酸味のバランスを知るのに最適な果物。幼いうちから食べさせて、甘さの中にある酸味を感じられる舌を育ててあげて」と話します。今年はぜひ、食卓に「産直蔵出ししもつみかん」をのせて、家族みんなでその魅力を味わってみてください。

    みかん大福

    調理時間:約20分
    1個分:カロリー 280kcal 塩分 0.0g

    材料(2個分)
  1. みかん 2個
  2. 切り餅 2個
  3. 白あん 160g
  4. 砂糖 小さじ2
  5. 片栗粉 適量
作り方
  1. 1. みかんは皮をむいて筋をきれいに取り除く。餅は4等分に切る。
  2. 2. 白あんは2等分にし、みかんを包んで丸く形を整える。
  3. 3. 耐熱ボウルに餅、砂糖、水30mlを入れてふんわりとラップをかけ、レンジ(600W)で約2分加熱する。いったん取り出して上下を返し、再度約1分加熱して練り混ぜ、全体を滑らかにする。
  4. 4. バットに片栗粉を広げて3を取り出し、全体に片栗粉をまぶす。粗熱が取れたら2等分にし、丸く広げて2を包む。
  5. 【POINT】
    ・3のとき、ラップの端は器にぴったりとつけてください。よく練り混ぜることで、餅のやわらかさを長続きさせることができます。
    ・つくったその日中にお召し上がりください。