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点検レポート

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産直産地の点検 茂木びわ 農事組合法人 しもつコープファーム

  • 2020年06月02日
  • 産地点検

点検日 2019年6月14日

しもつコープファームは和歌山市の南、和歌山県海南市下津町にあります。西側に海(紀淡水道)、背後は山に囲まれた柑橘類の栽培が盛んな地域です。しもつコープファームは産直商品として「しもつみかん」「いよかん」「はっさく」「清見オレンジ」「甘夏柑」「ポンカン」「ネーブル」「不知火」「すだち」「レモン」「キウイフルーツ」でもお世話になっています。今回紹介する「茂木びわ」は毎年6月の限られた時期に取り扱いしている産直商品です。①びわ畑から町を望む.jpg


びわは6月の収穫からさかのぼり、3~4月、まだ緑色の実の時に袋掛けをします。袋がないと虫や鳥に食べられたり、傷みやすくなります。1つの枝にたくさんの実が付くのですが、全部残すと小さい実ばかりになってしまいます。このため、一枝に2~3個、傷がなく、良さそうな(大きくなりそうな)実を選び、他の実を取り除きます。②袋掛け解説.jpg



この袋掛け選別作業がとても大変なのです。良さそうな実は枝の先端にあることが多いため、コンテナやハシゴに乗って作業をしなければなりません。しかし、現地のびわ生産者の高齢化が進んでいることもあり、こうした作業ができない、あるいは間に合わないため、栽培自体を断念するケースがあるとのことです。「袋掛けを手伝ってくれる人があれば、収穫・出荷まで出来るかもしれない。」という話を聞きつけ、袋掛けのボランティアに出かけた京都生協職員もいます。(2020年は新型コロナウィルス感染症流行に伴い、行っていません。)
③びわの木と天なり.jpg



しもつコープファームの「茂木びわ」は、農薬を使用せず栽培されています。栽培計画の段階でも農薬の使用予定はなく、栽培記録でも使用されていないことを確認しました。
また化学肥料の使用量は慣行栽培の約3割削減されています。

例年、6月に入ると収穫時期を迎えます。袋掛けも大変ですが、収穫も急な斜面を歩き、木に登らなければならないので大変です。④びわ収穫(木登り).jpg



やっとの思いで収穫した茂木びわが選果場に集められます。
下の写真のように袋ごと収穫された状態の他、袋から出して軸を切った状態、生産者が選別してパック詰めまでした状態でも集められます。
⑤冷蔵庫内原体集荷分.jpg



収穫されたびわはすべて検品します。トレーに乗せられた後、計量、包装されます。すべて手作業です。
⑥検品作業.jpg



【点検者の所見】
生産者の高齢化が進み、山の斜面での作業なども厳しくなる中、おいしい茂木びわを食べていただくために頑張っておられます。生産者が選別・パック詰めした状態で入荷したものも含め、全てを検品してから京都生協へ出荷されています。果肉が柔らかく傷みやすい果実で丁寧な作業が必要です。衛生管理や異物混入防止に気をつけて作業されていることも確認しました。

※2020年5月末、産地より写真が届きました。
⑦びわの色づき.jpg

【産地からのメッセージ】
「びわ」は初夏の味覚として喜ばれ、しもつでは主に急な山の斜面で、明治時代から栽培していたようです。現在では栽培が大変なこともあって、残念ながら辞めていく農家が多く、生産量はピーク時の10分の1になっています。2020年出荷の予定ですが、宅配での企画は一度だけ、店舗への出荷も一度だけになってしまいました。ボランティアに来てもらった時は、なんとか続けようと元気をもらっています。

【2020年の取り扱い予定】
宅配では6月3回(6/15~6/19配達)に企画。店舗は6月20日以降に入荷予定となっています。

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