点検レポート
産直産地の点検 白卵 ㈲安藤養鶏場 ・ 富士商事㈱
- 2020年09月25日
- 産地点検
点検日 2020年7月2日
産直白卵でお世話になっている、いずれも香川県にある安藤養鶏場と富士商事を訪問しました。
安藤養鶏場は産直白卵を生産されている生産者で、ここから出荷された卵が富士商事に運ばれ、洗浄・殺菌・選別を経てパックされ、京都生協へ送られます。
まず最初に、「こんぴらさん」の西に位置している安藤養鶏場を訪問しました。
養鶏場の入口で、自動車のタイヤについている菌を消毒しているところです。防疫上の対策(鳥インフルエンザなどの家畜伝染病を防ぐための対策)がきちんとされていることを確認しました。
養鶏場は山の斜面に広がり、木々に囲まれた所にあります。
養鶏に必要な、飼料の入荷と保管方法について確認しました。
鶏舎内の写真です。私は防疫上の都合で直接鶏舎に入ることはできませんので、農場責任者の方に写真を撮っていただきました。鶏舎内がきれいに清掃されている事がわかります。
集卵室(養鶏場の卵を集める所)を確認しました。
鶏舎と集卵室はコンベアでつながっており、卵が続々と送られてきます。ヒビ、割れ、汚れがある卵を取り除き、きれいな卵をコンテナに詰めます。
卵の入ったコンテナに養鶏場名と採卵日が記載された紙を貼り付け、富士商事へ出荷されます。集卵室も、きれいに清掃されていることを確認しました。
今回は鶏糞処理施設も確認しました。
鶏糞は毎日必ず発生するため、きちんと処理することも大事な仕事です。鶏糞を集め、発酵させてから、肥料として出荷されます。処理施設は広さにも余裕があり、問題ないことを確認しました。
養鶏場の施設を点検した後、毎日の養鶏作業の記録や書類の点検をしました。
午後から富士商事GPセンター(卵を洗浄、殺菌、選別しパックする所)を点検しました。
富士商事は香川県善通寺市にあり、近くに高松自動車道の善通寺インターチェンジがあります。安藤養鶏場からは車で15分(距離は約10km)と富士商事とは近い位置関係にあります。
富士商事でも車両の消毒(タイヤ)をしてからの入場となりました。
GPセンターの中へは、富士商事指定の服を着て、粘着ローラーで付着物の除去、手洗い、手指消毒をして入場しました。
こちらは養鶏場から運んできた卵を受け入れた後、卵の洗浄と殺菌をする所です。
まず、入荷した卵はコンテナから取り出して、コンベアにのせられます。
コンベアにのった卵は、洗浄・殺菌します。
殺菌水には次亜塩素酸ナトリウムが使われています。(水道やプールの消毒にも使われるものです。)次亜塩素酸ナトリウムの濃度が低すぎると殺菌効果が得られなくなり、濃すぎると卵に臭いが残る可能性があります。そこで濃度の設定と確認方法を聞き取り、記録も確認しました。
この後、ヒビや割れなど不良な卵を取り除かれ、卵一個づつの重さを自動ではかられます。
ここはラベルが投入され、パックに封がされる場所です。
もう一度、卵にヒビや割れがないか、ラベルが1枚入っているかを確認されます。
この後パックに封がされ、出荷用のカゴ車に載せられますが、ここでも卵にヒビや割れがないか、人の目で見て確認されています。
事務所で、卵の入荷やパック卵製造の記録や、書類を確認しました。
【点検者の所見】
安藤養鶏場では、「先代、先々代からの言い伝えで、鶏に食べさせてもらっているという気持ちを大切に卵を生産している。」と伺いました。この一言からお仕事への姿勢を感じることが出来ました。
富士商事では、養鶏場から預かった卵を最終製品にする立場から、卵の状態で気付いたことは養鶏場にも伝えておられます。例えばヒビ割れの発生が普段より多いと感じたら、養鶏場内の卵の経路に不具合がないか電話するなど、安藤養鶏場との連携を密にされている事がわかりました。
【生産者からのメッセージ】
・安藤養鶏場より
「健康で丈夫な鶏を育て、良い卵を作る。」この考えのもと、安藤養鶏場ではヒヨコからの育成にこだわってきました。ヒヨコの時から大切に育てることでワクチンプログラムや育成環境など産卵に大きく影響する重要な部分を自社で徹底して管理することにより、美味しい卵を毎日お客様にお届けできるように日々努力しております。
・富士商事より
富士商事GPセンターではお客様に安全で新鮮な卵をお届けするために衛生管理を徹底して行っております。卵の表面の殺菌工程や、たまごのヒビや汚れ、血玉の有無を検査するヒビ卵検査装置や汚卵検査装置、血卵検査装置などが完備されています。充実した設備ですが、機械にのみ頼るのではなく、人による目視検査も行っております。
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