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点検レポート

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工場点検 京都生協コープ商品 あわせみそ 大分みそ協業組合

  • 2021年09月08日
  • 工場点検

点検日 2021年6月16日

※レポートの内容(パッケージなど)は、点検日当時のものです。

京都生協コープ商品「あわせみそ」を製造されている大分みそ協業組合は、大分県の味噌メーカー10社からなる組合で、個々のメーカーからの依頼に基づき、みその製造を行っています。「あわせみそ」に関しては、京都生協がフンドーキン醤油㈱に注文し、フンドーキン醤油㈱が、大分みそ協業組合に製造を依頼するという流れになっています。

大分みそ協業組合は、大分県臼杵市にあります。臼杵市は、大分県の県庁所在地である大分市の南隣に位置し、東側は海(豊後水道)に面しています。
工場は臼杵市街地の中心部、臼杵川の中洲にあります。すぐ近くには臼杵湾、また大友宗麟の居城であった臼杵城跡があります。

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工場の手前に、フンドーキン醬油㈱の本社建物があり、この敷地内に大分みそ協業組合の事務所もあります。なお、この建物は臼杵小学校の旧校舎を移築したものと伺いました。

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今回点検した京都生協コープ商品「あわせみそ」は、米こうじと麦こうじを仕込み段階からあわせ、遺伝子組換えでない大豆を使用した甘口タイプのみそで、2001年に登場しました。
当時の宅配で支持されていた「フンドーキン無添加あわせみそ」(現在の「フンドーキン生詰無添加あわせみそ」)をもとに、組合員のみなさんも参加して、京都生協の嗜好に合ったオリジナルのみそが開発されました。以来、20年を超えるロングセラーとなりました。

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これより工場の点検紹介です。
工場へ入場する際は、入場記録に体調や体温などを記入してから専用の服に着替えます。
次に粘着ローラーをかけます。確実に実行するために、ローラーをかける時間をタイマーで管理し、隅々までムラなくできるように手順を決められています。ローラーをかけた後は、二人で向き合って服装に問題ないか、相互に確認されています。さらに眉毛にも専用の粘着シートをあて、壁に設置された粘着シートに肩や背中を押しあて、靴下に粘着ローラーをかけてから長靴をはきます。

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手を水と手洗い用洗剤で洗い、次に殺菌剤が入った水で洗い、エアタオルで水分を取り除きます。

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次にエアシャワー(服装にきれいな空気を当てて、表面に付いた塵を吹き飛ばす装置。)を通り、工場へ入場します。


京都生協コープ商品「あわせみそ」は、原料となる大豆、米、裸麦(大麦の一種)、塩の他に、こうじ菌、酵母といった微生物の力を借りて製造しています。
まず最初に、大豆を選別機にかけて、異物や不良品を除きます。
選別が終わったら、水洗いし、水を吸わせます。

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水を吸わせた大豆は、蒸煮(じょうしゃ)してから、ミンチ状にすりつぶします。
ミンチ状にすることで、米と裸麦がこうじや塩と混ざりやすくなります。

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米と裸麦のこうじを作ります。選別機で異物や不良品を除き、米と裸麦を混ぜ合わせたのち、水を吸わせてから、蒸します。
蒸しあがった米と裸麦を冷ましてから、こうじ菌を吹き付け、製麹室で製麹させる(米と裸麦にこうじ菌を繁殖させる)と、「米こうじと麦こうじ」ができます。

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「蒸してミンチ状にした大豆」「米こうじと麦こうじ」「食塩」「酵母」をそれぞれ計量し、混ぜ合わせて、発酵熟成タンクに入れます。

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タンクの中では、こうじ菌や酵母の働きにより、米、裸麦、大豆のデンプンやタンパク質が分解されます。同じ原料でも、発酵・熟成の進み具合が変わることがあるので、発酵・熟成させる期間はおよそ2ヶ月前後と多少の幅があります。発酵・熟成の進み具合をチェックし、長年のご経験も活かして、仕上がりのタイミングを見極められています。

いつも同じ食味や色になるよう、工夫されていることをおたずねしたところ、「こうじの水分や、大豆の水分、蒸し上がりの色などを常にチェックし、仕込みの段階でのバラツキが少なくなるようにコントロールしています。」と伺いました。
また、みそ造りでこだわっていることをおたずねしたところ、「みそは長期間保存がしやすい食品ですが、なるべく新鮮な状態でお客様にお届けできるよう生産管理を行い、適切な在庫量となるよう心がけています。」と伺いました。



発酵・熟成が終わったら、タンクから出して、中身が均一になるよう混ぜます。この段階で、水分や塩分、色合いや味、香りなど、製品にして問題ないことを確認します。

仕上がったみそは、カップ容器に充填します。まず、充填機へつながるタンクに向かって、みそを投入します。

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みそをカップ容器に充填したら、容器の側面に賞味期限を印字し、金属探知機と計量器を通し、金属異物、重量不足がないことを確認します。賞味期限の印字は、製造指示にある日付と、最初(充填開始時)と最後(充填終了時)に印字した日付を2人で確認されています。
さらに印字の欠けを識別するカメラ(印字不良の場合はラインが止まる。)もあり、正しく賞味期限を印字する仕組みがあることを確認しました。

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この商品は酵母が生きているので、みその表面が直接空気に触れることを防ぐため、パーチメント(味噌のうえに敷いてある白い紙)を敷き、その上に脱酸素剤をのせてから天面にラベルを付け、カップ容器を閉じます。

※こぼれ話・・・工場の方より「開封後はパーチメントと脱酸素剤を捨てて、ラップで味噌の表面を覆って冷蔵庫で保管すると、みその着色(褐色に変化すること)を緩やかにすることができます。」と伺いました。

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この後、カップ容器の側面に表示ラベル(原材料・製造者などが記載されているラベル)を貼り、天面のラベルの上に蓋をかぶせて完成です。
段ボールで梱包し、出荷を待ちます。

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先ほど紹介した「充填機につながるみその投入口」の洗浄作業に立ち会いました。食品工場の清掃作業といえば、洗剤や殺菌剤を使うことが一般的です。
しかし、この工場では場所により、大型の設備があるため、洗剤などの洗い残しや、洗剤が他の設備へ飛散しないように水洗いを中心にされています。水洗いでも、汚れはしっかり落とせるように、高圧洗浄機の使用や、機械の分解洗浄など、場所ごとに手順書を定め、清掃されていることを確認しました。

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最後に、みそ造りの全工程を通して、一番大変な作業(苦労されている作業)は何かおたずねしたところ、「どの工程も重要であるため、原料の受入から、みその充填、出荷に至るまで、それぞれの担当者が正確に作業を行うことが重要と考えています。」と伺いました。


製造現場を点検した後、記録で米と裸麦は国産、大豆は遺伝子組換えでないことを確認しました。製造記録、書類などの確認も行い、仕様書※通りに製造されていることを確認しました。
また、商品の賞味期限から、大豆、米、裸麦の仕入れた日を調べることができます。
こうした仕組みが構築されていることで、万が一、製品に問題があった場合でも、どこに問題があったのかを調査することができます。(「トレーサビリティ」といいます。)

※仕様書・・・・・・・原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。

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【点検者の所見】
例えば工場への入場手順にみられるように、特に衛生管理や異物混入対策などを徹底されています。2019年5月にFSSC22000※を取得され、来年は更新も予定されています。

※FSSC22000・・・安全な食品を製造するためのマネジメントシステム。民間認証。


【メーカーの方よりメッセージ】
京都生協組合員の皆様、京都生協あわせみそをご愛用いただき、ありがとうございます。この商品は組合員さんの声を通してでき上がりました。私たちは「調味料メーカーとして生協とともに育ってきた。」と思っています。これからも安心安全を大前提とし、より良い商品を作ってまいりますので、皆様からも商品に対する声をぜひお届けください。

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大分みそ協業組合のホームページはありませんが、組合の一員で、京都生協コープ商品「あわせみそ」の発注先であるフンドーキン醤油㈱のホームページはこちら
( https://www.fundokin.co.jp/ へリンク )


【メーカーの方よりおすすめの食べ方を教えていただきました。】

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