点検レポート

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工場点検 京都生協コープ商品 きぬとうふ もめんとうふ 伊賀屋食品工業㈱

  • 2022年02月03日
  • 工場点検

点検日 2021年7月9日

※レポートの内容(パッケージなど)は、点検日当時のものです。

京都生協コープ商品「きぬとうふ」「もめんとうふ」を製造されている伊賀屋食品工業㈱本社工場は京都府城陽市にあります。京奈和自動車道城陽インターの南、近鉄京都線富野荘駅の西にあります。
また京都第2工場は京都府綴喜郡井手町にあります。JR奈良線山城多賀駅の近くにあり、京都生協コープ商品「ふる里京揚」「おあげ(中)」を製造されています。

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京都生協コープ商品「きぬとうふ」は1983年6月に誕生。(当初は「ソフトとうふ」と名付けられ、2008年4月より現在の名称に)
京都生協コープ商品「もめんとうふ」は1978年4月に誕生。どちらも約40年になるロングセラーです。

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工場へ入場する際は、健康状態を確認後、場内専用の服に着替え、粘着ローラーで毛髪やゴミを取り除きます。次に長靴に履き替え、手洗い、エアシャワー(服装にきれいな空気を当てて表面に付いた塵を吹き飛ばす装置)を通り、工場へ入ります。異物混入を防止する対策、入場時の手順がしっかりしていることを確認しました。

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原材料の大豆の保管庫を確認しました。
原料メーカーの証明書や大豆の袋に添付しているタグの情報から、遺伝子組換えでない大豆であることを確認しました。

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以下、工程に沿ってレポートします。

まず浸漬槽で大豆に水を吸わせます。
大豆に水をしっかり吸わせないと、よい豆乳ができず、結果としておいしい豆腐もできないと伺いました。
違う産地の大豆を誤って投入しないように、カナダ産の大豆が入っていることを示す札がかけられていました。

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水を吸わせた大豆をこの機械の中ですりつぶします。(摩砕)

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すりつぶした大豆をこの釜の中で加熱します。

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加熱が済んだら、絞り機にかけて豆乳を取り出します。

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豆乳を絞った後に残るのが「おから」です。一部は製品として包装、販売され、残りは家畜の飼料に加工する業者さんへ引き渡されます。食品のリサイクルにも力を入れておられます。


ここからは「きぬとうふ」の工程です。

絞り機から出た豆乳を一旦冷まして「にがり」を加え、再度凝固機の中で加熱することで豆腐ができあがります。これを一丁分にカットし、容器にのせます。
製造記録を確認し、豆乳濃度や豆腐の凝固温度などに問題がないことを確認しました。

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凝固機を使うことで、操作する人が違っても仕上がりの差が少ない豆腐を、たくさん作ることができると伺いました。

容器にのった豆腐は、ふたを閉じる(フィルムを貼る)工程へ送られます。

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ふたを閉じる工程から先は、「もめんとうふ」と一緒に後ほどレポートします。


ここから「もめんとうふ」の工程です。

絞り機から取り出した豆乳が、冷めないうちに「にがり」を加えてかき混ぜ、箱に入れて固めます。

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固まった豆腐を木綿を敷いた容器にくずしながら流し込み、高さをならします。

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豆腐全体を木綿で包み、プレス機で上から押えます。

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一旦崩されたとうふは、プレス機で押えることでしっかり固まり、表面に木綿の跡がつきます。これで大きな「もめんとうふ」になりました。
なお、プレス機で押える間に、崩れたり、はみ出したりすることがあるそうです。
もし型崩れなど仕上がりに不良があれば、この段階で廃棄すると伺いました。

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プレス機から取り出された大きなもめんとうふは、木綿を取り除いた後、機械で一丁分ずつ切り分けて容器にのせられ、ふたを閉じる(フィルムを貼る)工程へ送られます。

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ここから先は「きぬとうふ」「もめんとうふ」ともに同じ作業です。

容器にのった豆腐の上にフィルムを貼り、ふたを閉じます。

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容器の上に貼ったフィルムに消費期限を印字し、包装状態に問題がないか、印字不良はないかを確認します。
消費期限の印字は、包材に印字した消費期限とマスターとなる消費期限とを照合し、問題ないことを確認した後、商品への印字が開始されます。こうした正しく消費期限を印字する仕組みが整っていることも確認しました。

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次に製品化された豆腐をお湯につけて加熱殺菌し、冷却します。
記録から、お湯の温度、加熱時間が、設計どおりに製造されていることを確認しました。

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できあがった豆腐は、におい、味、食感に問題がないこと(検食)を、複数の担当者で確認し、記録されています。


加熱殺菌と冷却が済んだら、X線探知機で金属などの硬質異物が混入していないか確認します。

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X線探知機を通った豆腐は、もう一度包装の状態に問題がないか、印字不良がないか目視で確認してからコンテナに集められ、出荷まで冷蔵庫で一時保管されます。
冷蔵庫内の温度について、10℃以下で管理されていることを確認しました。

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出荷前に、検食した記録を再度確認します。

工場内を点検した後、事務所で書類や製造記録などの点検を行い、仕様書※通りに製造されていることを確認しました。豆腐づくりに欠かせない水の水質検査も問題がないことを確認しました。

※仕様書 ・・・ 原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。

【点検者の所見】
製造工程において基本的に仕様書通りに適正に運用・管理されていること、原料の大豆は遺伝子組換えでないものが使用されていることを、保管庫内の実物や証明書で確認しました。衛生管理や異物混入対策も問題はありませんでした。
京都生協コープ商品「きぬとうふ」「もめんとうふ」は夜中に製造されており、担当の方が、黙々と作業をされているのを見せていただき、頭が下がる思いでした。


【メーカーからのメッセージ】
いつも数ある商品の中から弊社商品をお選びいただき、まことにありがとうございます。
まだまだお客様のご要望にお応えできていないこともありますが、今後も品質の向上と安心で安全な商品を提供し続けられるよう努力して参りますので、変わりませぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。


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