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点検レポート

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工場点検 京都生協コープ商品 味付寿司あげ ㈱みすずコーポレーション

  • 2022年04月27日
  • 工場点検

点検日 2021年11月16日

※レポートの内容(パッケージなど)は、点検日当時のものです。

京都生協コープ商品「味付寿司あげ」を製造されている㈱みすずコーポレーションは、長野県長野市にあります。JR長野駅から南へ車で約10分のところにあり、すぐ近くには1998年長野冬季オリンピックの会場になった、スポーツアリーナ「ビッグハット」があります。

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京都生協コープ商品「味付寿司あげ」は1983年、当時の京都生協コープ商品「油あげ」をベースに、味付けしたタイプとして誕生しました。製造後冷蔵で30日(現在は60日)持つことが大きな特徴でした。
以来、味や入り数などの見直しを経て、約40年のロングセラーになりました。かつおだしのきいた甘めの味付けで、手軽にいなり寿司が作れるほか、きつねうどん・そばにも便利です。
2012年より、㈱みすずコーポレーションに製造をお願いしています。

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これより工場の点検紹介です。
工場へ入場する際は、体調に問題ないことを確認してから専用の服に着替えます。次に粘着ローラーをかけてから手を洗い、ペーパータオルで水分を取り除きます。

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次にエアシャワー(服装にきれいな空気を当てて、表面に付いた塵を吹き飛ばす装置。)を通り、工場へ入場します。


こちらは豆腐の原料となる大豆の保管施設です。
産地はカナダまたはアメリカで、入荷量を調整しながら毎日荷受けし、使用期限を定めて使っていると伺いました。原料の大豆が遺伝子組換えでないことを書類で確認しました。

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大豆は水で洗って浸漬(水を吸わせる)します。

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水を吸った大豆をすりつぶして加熱し、絞って豆乳を作ります。
続いて豆腐用凝固剤を加え、固めて豆腐にします。
残ったおからは全て乾燥させ、食品として販売するほか、きのこの培地や猫砂の原料などとして販売されると伺いました。

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豆腐が切れ目のない状態で、続々と出てきます。
私たちが、普段そのまま食べる豆腐と、大きな違いがあるのかおたずねしたところ、「木綿豆腐の場合、水分が約90%を占めますが、目の前の油揚げ用豆腐は、水分を約74%にしています。」と伺いました。

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豆腐を切り分け、油で揚げます。

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おあげができました。

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検品です。できたおあげの大きさや揚がり具合などを確認します。

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検品後、おあげは一旦コンテナに入れ、冷蔵保管します。
おあげの保管コンテナに製造日と使用期限(使用してもいい期限)、バーコードが添付されています。
次の工程へ進む際にバーコードを読み取り、期限内であることが確認できる仕組みになっているそうです。

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こちらは調味液の原料保管場所です。
仕様書※記載の通りの原料を使用して製造されていることを確認しました。
毎月棚卸しをして、賞味期限を確認されています。

※仕様書・・・・・・・原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。

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砂糖や醤油、かつおだしなどを混ぜ合わせて調味液を作ります。
日報には、投入しなければならない原材料の重量が、すでに記載されています。
作業者が原材料を投入した後、日報に重量を記録し、すでに記載された重量と比較することで、投入した量に間違いがないことを確認できます。

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できた調味液は、糖度などを測定するほか、味やかおりなどについて官能検査を行い、問題がないことを確認します。
「官能検査ができる社員を育てることにも力を入れている。」と伺いました。



冷蔵庫で一時保管されていたおあげを取り出し、油抜きをして切断します。
油抜きといえば家では熱湯をかけますが、その作業を再現する装置を自社開発されたそうです。

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容器に、おあげと調味液を入れます。

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容器にふた用のフィルムをのせ、空気を抜いて閉じます。
2時間ごとに抜き取り、重量を確認されているそうです。


金属探知機に通して、金属異物がないことを確認するとともに、目視でも製品の包装状態に問題がないことを確認します。

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次に加熱殺菌します。商品ごとに殺菌温度や加熱時間が記載されたカードをもとに、加熱殺菌する釜の温度や時間の設定が正しいか確認されています。
加熱殺菌後、容器の状態に不良がないかを検品します。また官能検査で味などに問題がないことを確認されています。
検品後はコンテナに入れ、殺菌した日、使用期限、バーコードを添付し、冷蔵庫で一時保管されます。
次の工程へ進む際にバーコードを読み取り、使用期限内の製品であることが確認できる仕組みになっています。

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包装用フィルムに賞味期限を印字し、味付寿司あげを包みます。賞味期限の日付が正しく設定されているか、実際に印字された日付も正しいか、2人で確認されています。

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金属探知機、続いてX線異物探知機を通し、異物がないことを確認します。
なお賞味期限の印字漏れや印字の欠けがないかを確認する仕組みもあり、不良品は自動で除かれます。

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次に目視で包装に問題がないか、手で軽く押えて包装から空気が抜けないか確認※します。
(※傷や包装を閉じる際の圧着不良があると空気が抜けます。)

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出荷用の段ボール箱へ詰めます。

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冷蔵庫で一時保管され、加熱殺菌や調味液の調合、官能検査結果など各段階の製造記録に問題がないことを確認してから出荷されます。

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現場を点検した後、製造記録、書類などの確認も行い、仕様書通りに製造されていることを確認しました。
万が一、製品に問題があった場合でも、商品の賞味期限から製造記録をさかのぼれば、どこに問題があったのかを調査することができます。(「トレーサビリティ」といいます。)


【点検者の所見】
原料の大豆の品質を確認するため、職員が毎年原産地を訪問されているそうです。(現在は新型コロナウイルス感染症流行の関係で渡航できません。)
㈱みすずコーポレーションは、FSSC22000認証※を取得されており、従業員の衛生に関する習熟度は教育実施記録で管理されています。工場内に掲示されたマニュアルに基づき、手洗いの実施、作業着や作業靴の状態等に問題ないことを確認しました。

※FSSC22000・・・安全な食品を製造するための仕組み。民間認証。


【メーカーからのメッセージ】
日頃より京都生協コープ商品「味付寿司あげ」をご利用頂き、誠にありがとうございます。
商品名は「味付寿司あげ」でございますが、うどんのあげとしてご利用頂く組合員様が多いとお聞きしております。
今後も皆様にご愛用して頂けるよう、安心安全な商品を作って参ります。

㈱みすずコーポレーションのホームページへ

下記のリンク先で味付寿司あげなどのレシピも紹介されています。
四角い寿司あげのレシピもありますが、すし飯の具の参考になさってください。

㈱みすずコーポレーションのホームページ「レシピ」へ




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