60周年

トピックス

工場点検 京都生協コープ商品 ふる里京揚・おあげ(中) 伊賀屋食品工業㈱

  • 2023年02月24日
  • 商品

点検日 2022年9月29日

京都生協コープ商品「ふる里京揚」「おあげ(中)」を製造されている伊賀屋食品工業株式会社京都第2工場は、京都府綴喜郡井手町のJR奈良線山城多賀駅の近くにあります。
また本社工場は京都府城陽市にあります。京奈和自動車道城陽インターの南、近鉄京都線富野荘駅の西にあり、京都生協コープ商品「きぬとうふ」「もめんとうふ」を製造されています。

001-age.png


京都生協コープ商品の油揚げは1978年に登場しています。当初は油揚、半揚(油揚の半分の大きさ)、うす揚げなど、今よりも多くの種類がありました。
現在は「ふる里京揚」と「おあげ(中)」の2品を品揃えしています。どちらも国内産大豆100%を使い、キメが細かく、ソフトな口あたりが特徴です。違いは大きさです。

002-age.png


こちらは原材料の大豆の倉庫です。「ふる里京揚」と「おあげ(中)」は、国産大豆(使用割合100%)を使うことになっています。「倉庫の現品」「納品書」「大豆の入荷記録」から、国産大豆を使用していることを確認しました。(点検当時は、滋賀県産の大豆でした。)

003-age.png


工場へ入場する際は、健康状態を確認後、場内専用の作業服に着替え、粘着ローラーで毛髪やゴミを取り除きます。作業服の着用状態に問題はないか、装飾品をつけていないかなど、チェック表で確認し、エアシャワー(服装にきれいな空気を当てて表面についた塵を吹き飛ばす装置)を通ります。次に手を洗ってアルコールで消毒し、手袋着用してから、もう一度手を洗い、アルコールで消毒します。異物混入を防止する対策、入場の手順がしっかりしていることを確認しました。

004-age.png


ここからおあげの材料となる豆腐を作る工程です。
まず大豆に水を吸わせます。

005-age.png


水を吸わせた大豆を粉砕して、加熱(水と一緒に煮沸)します。

006-age.png

007-age.png


加熱が済んだら、絞って豆乳を取り出します。
豆乳を絞った後に残るのが「おから」です。毎日、食品リサイクル業者に引き渡され、家畜のえさなど、有効活用にも力を入れておられます。

008-age.png


タンク内で豆乳に凝固剤を加え、撹拌して粒状の豆腐を作り、ステンレス製の機械に這わせたナイロン布の上に流します。

009-age.png


次にプレス機で水分を絞って押し固め、面積の大きな豆腐を作ります。

010-age.png


面積の大きな豆腐を切り分けます。

011-age.png

012-age.png

これで、おあげの材料となる豆腐ができました。


ここから豆腐を油で揚げる工程です。
熱い油が入った、長く大きなプールのような所に、豆腐を整列させて送り込み、出口に向かってゆっくり移動させます。出口にたどり着いたとき、ちょうどよい揚がり具合になるよう、温度と時間が調整されています。
揚げている最中の豆腐の移動、裏表を返す作業は機械で自動で行われます。

013-age.png
014-age.png


油から引き上げたおあげは、そのまま金網でできたベルトコンベアにのせて粗熱をとり、急速冷却します。食品を素早くしっかりと冷すことは、品質を保つために大事な工程です。

015-age.png

016-age.png


こちらは急速冷却機の出口です。ここで検品が行われます。
サイズの不足、膨らみ方や揚がった色、破れ、変形等、見た目に問題があるものの、食べても安全性に問題がないものについては、規格外品や刻み揚げとして販売されます。
揚げる油の温度や揚げる時間に問題があった場合や、微生物汚染の可能性があるものについては廃棄されます。

017-age.png


ここから包装工程です。
包装用フィルムへ賞味期限を印字します。正しく印字されていることを確認するため、包装用フィルムの日付を印字した部分を切り取ってチェック表に貼り付け、チェック表で指示されている賞味期限と一文字ずつ照合して確認されています。
写真では、チェック表で指示されている賞味期限と貼り付けてあるフィルムの文字が裏返しになっています。理由をたずねたところ「表向きに貼った場合と比べ、より注意を払わないと文字が読めないことから、確実に照合作業をさせるため、裏返しにしている。」と伺いました。
018-age.png

賞味期限の印字が正しいことを確認してから、機械で包装します。
包装用フィルムは、ロール(巻かれた状態)になっていて、順次送り出して賞味期限を印字し、おあげと一緒に包装機へ送り込みます。

019-age.png


賞味期限の印字機にはカメラもついており、万一印字不良があった場合は、自動的に排除する仕組みになっています。

020-age.png


X線探知機で硬質異物がないか、金属探知機で金属異物がないかを確認します。
これも安全な商品をお届けするために大事な工程です。
その後、自動計量器で最低重量を上回っているか確認します。

021-age.png


最後に人の目で見て、賞味期限の印字不良や包装不良などがないか確認し、不良品は廃棄されます。

022-age.png

製品は冷蔵庫で一時保管され、官能検査で問題がなかったことを確認してから出荷されると伺いました。毎日、官能検査(甘味、苦味、塩味、酸味、旨味の五味検査を含む。)を実施されていることを記録で確認しました。


こちらは出荷口の様子です。シャッターの周りに大きなクッションがついています。ここにトラックの後部をピッタリ付くように駐車してからシャッターを開け、商品を積み込みます。工場内部に虫などが侵入しないよう工夫されています。

023-age.png

なお、シャッター上部の照明が黄色く、虫が嫌う光になっています。ここにも工場内部へ虫の侵入を防ぐ工夫をされています。


洗剤や消毒液など薬剤の扱い方も、フードディフェンス※の観点から大事なことです。
薬剤は鍵のかかる部屋で保管し、在庫記録をつけて管理されていることを確認しました。

※フードディフェンス・・・「食品へ混入してはいけないものが、人を介して意図的に混入されることによる危害」を防ぐ取り組み。


廃棄物は回収されるまで、工場内に専用区画を設けて一時保管されています。回収業者と契約を交わし、産業廃棄物管理票(マニュフェスト)を伴って、処理されていることを確認しました。

工場内を点検した後、事務所で書類や製造記録などの点検を行い、仕様書※通りに製造されていることを確認しました。おあげのもとになる豆腐づくりに欠かせない水の水質検査結果も問題がないことを確認しました。

※仕様書 ・・・ 原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。


【点検者の所見】
一般衛生管理はもちろんHACCP(ハサップ)による衛生管理にもしっかり取り組まれており、各工程でマニュアルに基づいて作業を行いしっかり記録されている工場です。点検では限定事項である原料大豆が国産であることを、現物や産地証明、製造の記録で間違いないことを確認しました。また、製造工程なども仕様書通り適正であり、衛生管理や異物混入対策などについても、現場や記録類で問題ないことを確認しました。

【メーカーからのメッセージ】
いつも数ある商品の中から「ふる里京揚げ」「おあげ(中)」をお選びいただき、誠にありがとうございます。第2工場では2018年10月に、国際的な食品安全管理システムFSSC22000の認証を取得いたしました。今後も安全・安心・おいしい製品をご提供できるよう、従業員一同取り組んでまいりますので、変わらぬご愛顧賜りますようお願い申し上げます。


伊賀屋食品工業㈱のホームページへ



点検レポート トップへ戻る

バックナンバー