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【食の安全・安心】がんの原因を専門家はどう考えているの?
- 2024年12月18日
- お知らせ
【今月のテーマ】がんの原因を専門家はどう考えているの?
現在、日本人の2人に1人ががんと診断される時代です。がん予防についての専門家の意見をご紹介します。
がんの発生要因 生活習慣も関係
がんは、さまざまな要因によって発症していると考えられています。遺伝などの要因もありますが、日本人では男性のがんの43.4%、女性のがんの25.3%は生活習慣や感染が原因です。そのうち、大きな原因は、喫煙(男:約23.6%、女:約4.0%)と感染(男:約18.1%、女:約14.7%)で、その他のものは比較的小さいと報告されています( 図)。食生活の影響は、喫煙などと比べると意外と低いことがわかります。
国立がん研究センターをはじめとする研究グループでは、日本人のがんの予防にとって重要なのは5つの生活習慣の改善で、「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適正体重の維持」をあげています。
「禁煙」は言わずもがなですが、2つめの「節酒」はお酒を飲む場合は純エタノール換算で1日23g程度(日本酒一合、ビール大瓶1本)までとしています。純エタノール量は、最近は缶ビールなどに表示もありますので参考になります。
食生活の見直しを
食生活では「塩分の取り過ぎ」「野菜や果物を取らない」「熱すぎる飲食物」が、がんの原因になるということが明らかになっています。
減 塩
日本人の食事摂取基準では、1日あたりの食塩摂取量を男性は7.5g未満、女性は6.5g未満を推奨しており、少しでも近づくようにしていきましょう。加工食品の栄養成分表示「食塩相当量」の確認をしましょう。
野菜と果物の摂取
国の健康施策では、1日あたり野菜を350g取ることを目標としています。果物も合わせた目安としては、野菜を小鉢で5皿分と果物1皿分を食べることで、おおよそ400gが摂取できます。
熱い飲み物や食べ物は冷ましてから
熱い温度で食品を摂取すると、食道がんなどのリスクを上げる報告が多数あります。少し冷ますと、口の中や食道の粘膜を傷つけることがなくなり、がんのリスクが低下することが期待できます。
よく「〇〇を食べるとがんになる」と見聞きしますが、がんの専門家はそのようなことは言っていません。さまざまな要因が原因となって起こることを理解し、運動なども含めて生活習慣を改善していただければと思います。
社会的テーマから身近なテーマまで「食」の安全に関する情報を専門家が解説
「食の安全・安心」は機関紙コーポロに毎月掲載しています。
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