- ホーム>
- トピックス
トピックス
産直産地の点検 安土信長葱・ミニ白菜・チンゲン菜・かぶら JAグリーン近江
- 2025年02月05日
- 商品
点検日 2024年11月21日
産直安土信長葱(白ネギ)・ミニ白菜・チンゲン菜・かぶらの産地であるJAグリーン近江は、滋賀県の東近江地域を範囲とする農協で、作物ごとに部会があります。
今回の点検先は大中の湖(だいなかのこ)干拓地にあります。
この干拓地は、昭和30年代に現在の近江八幡市と東近江市にまたがって存在した大中の湖(琵琶湖の内湖)を埋め立てたもので、昭和41年(1966年)に最初の作付けが行われました。面積は約1200ヘクタールあります。(阪神甲子園球場約310個分の広さ)南側には安土城址があります。
下の写真はJAグリーン近江大中の湖営農振興センター(旧大中の湖支店)にある、干拓前の大中の湖を写したパネルです。
安土信長葱を栽培されている井上さんの畑を点検しました。
(安土信長葱は「安土葱部会」のみなさんが栽培されています。)
栽培中のネギが整然と並ぶ中、「今年は夏場(7~9月)に雨が少なかったため、生育が遅くれ、同じ時期に植えたネギの背丈が揃わない状態。さらに11月後半というのに暖かいため、カメムシが多くて困っている」と説明がありました。
ミニ白菜を栽培されている渡辺さんの畑を点検しました。
(ミニ白菜は「産直露地部会」のみなさんが栽培されています。)
今、目の前で栽培中のミニ白菜は来週出荷予定のもので、こちらでも「水不足で生育が遅く、虫の影響も大きい。週によって生協の需要が多数に及ぶ時もあるが、部会全体で生育状況を共有し、出荷量を確保したい」と説明がありました。
となりで白菜も栽培されていました。「ミニ白菜は、白菜を小さいうちに収穫したものではなく別の品種で、白菜に比べると筋が少なく柔らかい」と説明がありました。
ミニ白菜・白菜のとなりで、キャベツも栽培されていました。「農薬については白菜・キャベツ両方に使えるもの※を使用している」と説明がありました。
※・・・農薬取締法のもと、農薬を製造、輸入、販売するためには農薬の登録が必要で、安全性の審査があります。農薬ごとに使用できる農作物、使用方法が決まっていて、これを守ることで安全な農産物を生産できます。
チンゲン菜を栽培されている河合さんの畑を点検しました。
(チンゲン菜は「大中の湖チンゲン菜部会」のみなさんが栽培されています。)
チンゲン菜はビニルハウス内で栽培されています。「種まきから約5週間かけて苗を育て、畑に植え替えた後、8~9週間ほど栽培して収穫を迎えます。バッタ対策が大変で、バッタに効果がある農薬でチンゲン菜に使用できるものがない(→登録されている農薬がない・・・前出の※参照)ため、見つけたら取り除くしかない。これから寒くなるので、バッタの活動も収まってくるのではないか」と説明がありました。
なお、バッタなどに食べられたチンゲン菜はどのように扱われるのかたずねたところ「被害が軽いものは傷のある部分を取り除いて直売所などへ出荷する。被害の程度が大きいものは緑肥として畑へすき込む」と説明がありました。
かぶらを栽培されている川南さんの畑を点検しました。
(かぶらは「大かぶクラブ」のみなさんが栽培されています。)
ちょうど収穫作業の最中でした。「今年は雨が少なく、高温が続いたこともあり、割れ・変形が多い」と説明がありました。良品は順次トラックへ積まれる一方、畑には不良品と思われるかぶらも多数ありました。(かぶらを引き起こした瞬間、不良品とわかってすぐ横へ除かれる場面も目にしました。)
畑に並ぶ不良品のかぶらがどのように扱われるのかたずねたところ「トラクターで畑を耕すときに緑肥としてすき込む」と説明がありました。
以上、4ヶ所の畑とも不要なものはなく、きれいにされていることを確認しました。
JAグリーン近江「大中の湖野菜集出荷場」を点検しました。
大中の湖干拓地で収穫された野菜は、生産者が選別、箱詰めし、ここへ持ち込まれます。(安土信長葱については、大中の湖干拓地の一部を含む近江八幡市安土町が生産区域になるため、安土町にある集出荷場へ持ち込まれます。)
場内は整理整頓、清掃され、きれいにされていることを確認しました。フォークリフトは法定の点検・検査されていること、運転は資格を持った人がヘルメットを着用して行っていることを確認しました。
JAグリーン近江「大中の湖営農振興センター」で書類の点検をしました。
仕様書と生産者台帳および圃場台帳、栽培記録などを確認し、残留農薬検査の結果も含め、農薬の使用状況に問題ないことを確認しました。「特に大中の湖干拓地では、生産者がお互いに隣接して多品種を栽培しているため、農薬を散布する時は、予め近隣へ告知する、風が強い時は散布を待つなど、他人の畑への農薬飛散防止に努めている」と説明がありました。
生産者がつける栽培記録は、出荷の1週間以上前にJAグリーン近江に提出されます。農薬の散布状況などに問題ないことを必ず確認してから集荷する体制であることを確認しました。「出荷後も品目と出荷日がわかれば、生産者の範囲も特定できる」と説明がありました。
【点検者の所見】
安土信長葱など4品目の栽培に関わる部分で、特に農薬関係を中心に点検を行いました。栽培の計画・指導、栽培管理など、基本的に問題ないことを確認しました。合わせて4品目の圃場も点検し、いずれも大変きれいに整備されていました。
【JAグリーン近江からのメッセージ】
いつもJAグリーン近江の野菜をご利用いただき、ありがとうございます。
私どもの産地は京都市から車でも電車でも1時間程度の距離にあります。地産地消とまでは言えませんが、大変近場で安全安心な新鮮野菜を皆様へお届けできると自負しております。
滋賀県のラ・コリーナ近辺へお越しになる機会がございましたら、「この辺りで栽培された野菜が届くのだなあ」と産地に思いを馳せていただけると幸いです。今後ともJAグリーン近江産の野菜をご愛顧くださいますようお願いいたします。
営農振興センターの玄関前にはパネルがあり、干拓地が琵琶湖の基準水位より低いことがわかりました。「大中の湖の土壌」と「琵琶湖の豊かな水」を得る一方、水門を使って水害リスクを抑えつつ営農されていることがわかりました。
バックナンバー