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平和活動家 中西麻奈未さんによる、貿易ゲーム体験&講演会を開催しました

  • 2025年07月25日
  • お知らせ

「世界のこと、貧困、戦争、そして平和」

それは決して遠い世界の話ではなく、わたしたちと子どもの未来そのもの

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夏休みに入ったばかりの2025年7月19日(土)京都経済センターにおいて、親子で平和について考えるワークショップと、平和活動家 中西麻奈未さんの講演会を開催しました。

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まずは、「貿易ゲーム」から。

「貿易ゲーム」は、国や地域ごとの経済格差を実感しながら、協力しあうことの大切さを学ぶ体験型プログラム。

子どもから大人まで、グループで話し考えあい協力しながら、にぎやかに取り組みました。

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グループ(=国)ごとに製品を製造し、世界銀行でお金に換えていきます。

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最終的にお金をいちばんたくさん稼いだ国がゲームの勝者となります。

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グループ(国)ごとにテーブルの上に置かれた道具を使い、製品を製造していくのですが、最初から「はさみ」のない国、「コンパス」を持っている国、「鉛筆と紙」しか持っていない国、というふうに、条件に大きな差があり、したがって得られるお金も違ってきます。

お金を貸してもらいやすい国、貸してもらいにくい国というのも、最初から決まっており、世界の不平等を実感するきっかけにもなりました。

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▲世界銀行で換金しているところ

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貿易ゲームのあとは、京都生協の平和の取り組みのひとつである「ピースアクションinヒロシマ2024」の参加者より、会場の皆さんへ活動の報告を行いました。

「ピースアクションinヒロシマ2024」の詳細はこちら

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                                                                       そしてお待ちかね、中西麻奈未さんの講演。

「『世界のこと、貧困、戦争、そして平和』それは決して遠い世界の話ではなく、わたしたちと子どもの未来そのもの」をテーマに、中西さんがこれまでの平和活動の現場で体験した内容をもとに、平和の大切さと、身近なくらしから私たちが考え行動できることについてお話しいただきました。

中西さんがユース非核特使(外務省委嘱)として、世界59カ国をめぐってきた中から、カンボジアでのお話。

カンボジアでは、内戦の爪痕として、各地に地雷原(地雷がまだ埋まっている土地)が存在します。

中西さんも、実際に地雷が爆発する光景を目にして、体が凍り付いたそうです。

地雷原に隣接する村では、子どもたちが生活するすぐそばに、地雷が埋まっているのです。

中西さんと、折り紙を通じて仲良くなり、別れる時には花をつんで送ってくれた小学生の女の子は、中西さん帰国後、地雷の被害にあい、帰らぬ人となったそうです。

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▲中西さんが女の子からもらったお花がスライドに写っています

地雷は日本円にしてわずか数百円で買える兵器。

安価だからこそ多く使われ、あちこちに地雷原として残っているのですが、「数百円で子どもの命が奪われるなんて」と、中西さんは声を詰まらせました。

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会場の皆さんも、息をするのも忘れてしんと聞き入っていました。

世界では今も各地で紛争が続いていますが、中西さんは「世界は一つの教室みたいなもの。やられてもやり返さない。負の連鎖は自分のところで止めることが大事」と語りました。

そして最後に、「今日聞いたことをまわりの人にもぜひ話してほしい。平和が大事と思う人が1人でも増えるように」と締めくくられました。

今回のワークショップと講演を通して、参加された子どもたちや大人の心には、深く平和への想いが刻み込まれたのではないでしょうか?

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▲参加者した子どもたちからは、熱心な質問が飛び出しました

【参加者の感想から】

・子どもたちと一緒にやった貿易ゲームは楽しみながら、資源のある国、技術のある国、争わないで平和的に交渉するにはどうすれば良いか、利益の追求のために少しずる賢い手を使おうとする自分もいて、いろいろと考えさせられました。
後半の中西さんの実体験に基づくお話は、親しみやすい口調で、小学6年生の娘にも分かりやすかったと思います。通学路で地雷の被害に遭ってしまうなんて、娘も衝撃を受けたようでした。

・命に値段はつけられないとよく言われますが、それを無視するようなおもちゃみたいなもので人を傷つける必要って一体何なんだ、と思いました。それが一体何になるのか本当にどこかの誰かが望むんだろうか。悪魔の兵器、ひどいです。中西さんの体験されたお話、忘れません。

・二度と同じ命は生まれない。戦争で無くなった自分の手足は生えてこない。
やり返すから争いが生まれる。落ち着いて、自分の考えを見直してみよう。

間に立てる人になろう。
言葉がわからなくてもスポーツや手遊びなどの文化は言語の壁を越える。

二度と戦争が起きないように、伝え合う大事さを教えていただきました。それが明るい未来につながると信じて、子どもたちに私なりの言葉で伝えていかなければと感じました。

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京都生協では、さまざまな組合員イベントを企画しています。機関紙コーポロや京都生協公式ホームページにて、参加を募集しています。

皆さまのご参加をお待ちしています。

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