60周年
点検レポート

点検レポート

工場点検 京都生協コープ商品 ちりめんじゃこ                     株式会社長谷川海産・京都協同食品プロダクト株式会社

  • 2024年12月06日
  • 工場点検

点検日 株式会社長谷川海産 2024年5月17日
     京都協同食品プロダクト株式会社 2024年8月2日

京都における「ちりめんじゃこ」と「京都生協コープ商品」について

 京都市は海から離れていることもあり、ちりめんじゃこなど塩干物を食べる文化が続いています。
 ちりめんじゃこは「見た目」や「大きさ」「食感」など好みがわかれることから、京都生協コープ商品の「ちりめんじゃこ」は、現在、鹿児島県志布志湾産の「上乾」「中乾」「徳用」と「宮崎県産」の4品目を揃えています。開発から40年以上、組合員の皆さまにご利用いただいています。ぜひご利用ください。(店舗のみの取り扱いです。)

001-jako.jpg


 ちりめんじゃこ4品目のうち、「上乾」は小筋※でしっかり乾燥された(干された)ものになります。「中乾」は乾燥の度合いが「上乾」に比べて少し柔らかめになっています。

※ちりめんじゃこのサイズを表す言葉に「小筋」「中筋」が使われることがあります。「小筋」は「中筋」よりも小さいものです。

 京都生協コープ商品「ちりめんじゃこ」は、株式会社長谷川海産(以下、長谷川海産)が仕入れて選別したものを、京都協同食品プロダクト株式会社(以下、京都協同食品プロダクト)が小分け包装して、京都生協の店舗へ出荷されます。


5月17日、長谷川海産の工場(京都市下京区)を点検しました。

 長谷川海産は、京都市中央卸売市場に拠点を持ち、塩干物を中心に扱う会社です。

002-jako.jpg


工場に入る手順です。
 指定された作業衣を着用し、粘着ローラーで作業衣の表面に付着したホコリなどを取り除いた後、手洗い、ペーパータオルで水分除去、手をアルコール消毒して製造室へ入室します。従業員が異物を持ち込まない管理がされていることを確認しました。

003-jako.jpg


原料の冷凍庫です。

 長谷川社長より「ちりめんじゃこはとても小さく、温度が低すぎると冷凍焼けを起こします。保管温度は、これまでの経験も踏まえて決まりました」と説明がありました。

004-jako.jpg


選別作業です。

 段ボール箱で入荷したちりめんじゃこは、ざるでふるいにかけ、ちりめんじゃこのかけらを落としてから、トレーの上に乗せます。ざるには磁石が取り付けられ、金属片が付着するよう工夫されています。

005-jako.jpg

006-jako2.jpg


 トレーは検品しやすいように白いものが使われ、照明で明るくされています。従業員がトレーの上でちりめんじゃこを少しずつ薄く広げ、目視で色や形の悪いものや異物を取り除きます。(トレーにも磁石が据えてあります。)選別が終わったものは選別済の箱へ入れます。これをひたすら繰り返します。長谷川社長より「体(特に目)を使う作業のため、一定の時間ごとに交代し、別室で休憩を取っています」と説明がありました。こうした細かな作業により異物が含まれないちりめんじゃこが生産されていることを確認しました。

007-jako.jpg


 選別されたちりめんじゃこは、金属探知機による検品後、京都協同食品プロダクトへ出荷されます。金属探知機は、作業前と作業後に正しく作動することを点検されています。目視と記録から問題ないことを確認しました。

008-jako.jpg


 ちりめんじゃこの買い付けで苦労されていることについて長谷川社長に伺いました。
 「近年、原料となる「かたくちいわしの稚魚」の漁獲量が減り、相場の高騰などもあって、よい品質のちりめんじゃこを入手することがとても難しい状況です。そんな中でも漁獲の時期や魚の状態(脂の乗りなど)、京都で好まれる色・形・サイズなどを判断して買い付け、京都生協向けのちりめんじゃこを品切れさせないよう努めています。
 ちりめんじゃこの製造は水揚げ後、食塩のみ加えて茹で上げ、後は乾燥させるだけなので、買い付けの時点で味や食感が良くても、保管後製品化する段階で変化している場合があります。目視・手触り・検食で確認し、製品化の判断をしています」

作業手順書や記録など書類の点検をしました。


【点検者の所見】
 今回の点検において、ちりめんじゃこの保管状況や選別作業などに問題はなく仕様書通りに適正に管理されていることを確認しました。前回の指摘事項については、一部を除き積極的に改善に取り組まれており、今回新たに衛生管理や記録管理などの指摘事項については前向きに改善を約束されました。

【長谷川海産からのメッセージ】
 組合員の皆さま、いつもありがとうございます。
 長谷川海産は、京都中央卸売市場でちりめんじゃこを中心とした塩干品を扱う会社です。今後も食の安心安全に取り組み、おいしいお魚をご提供できるように努力してまいります。よろしくお願いいたします。



8月2日、京都協同食品プロダクトの工場(京都市南区)を点検しました。

 ここは京都生協のグループ会社で、主に水産物、畜産物の加工や食品の製造を行い、京都生協だけでなくコープきんきの組合員にも供給しています。

009-jako.jpg


工場に入る手順です。

 指定された作業衣を着用し、シールを眉毛にあてて落下する毛を取り除きます。粘着ローラーで作業衣の表面に付着したホコリなどを取り除いて長靴を履き、手洗い後ペーパータオルで水分を取り、手をアルコール消毒します。粘着マットで長靴裏の異物を取り、最後にエアシャワーを通ることで作業衣に残ったホコリを除去します。

010-jako.jpg


長谷川海産から仕入れた「ちりめんじゃこの段ボール箱」です。
 表面にちりめんじゃこの「品名」や「納品日」が表示されていることを確認しました。

011-jako.jpg


 京都生協各店舗からの発注数に応じ、4品目の「ちりめんじゃこ」を小分け包装します。
 「賞味期限を印字した包材」にちりめんじゃこを入れ、すぐ隣にあるはかりで内容量が規定の重量になっていることを確認し、シール機(包装を閉じる機械)へ送ります。

012-jako.jpg

013-jako.jpg


 シール機で包装を閉じた後、金属探知機、重量検査装置を通し、異常があれば取り除きます。金属探知機は、テストピースを使って不適合品が正しく排除される作動確認を包装の作業前と作業後に点検されていることを目視と記録で確認しました。

014-jako.jpg

015-jako.jpg


 合格品は、京都生協店舗ごとに分けて出荷されます。

016-jako.jpg


製造記録など、書類の点検をしました。

017-jako.jpg


【点検者の所見】
 手順や記録など一部で記載漏れなどが見られましたが、原材料の限定事項や製造工程など概ね仕様書通り適正に運用・管理されていることを確認しました。また、記録の改訂や壁面の汚れ除去など、前回指摘した事項については改善を進められ、今回の指摘事項についても前向きに検討していくことを約束されました。


【京都協同食品プロダクトからのメッセージ】
 いつも京都生協コープ商品「ちりめんじゃこ」をご利用いただき、ありがとうございます。
 京都生協コープ商品「ちりめんじゃこ」は4品目あり、それぞれの味、食感にはっきりとした違いがあります。ぜひ様々なお料理にご利用ください。これからも美味しいと喜んでもらえる安全安心な商品を製造してまいります。
 引き続きよろしくお願いします。



点検レポート トップへ戻る



バックナンバー