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【食の安全・安心】遺伝子組換え食品の 安全性の確保はどうしているの?

  • 2025年01月28日
  • お知らせ

【今月のテーマ】遺伝子組換え食品の 安全性の確保はどうしているの?

 遺伝子組換え食品は、他の生物の細胞から取り出した遺伝子をその生物に組み込むことによって、新たな性質を持たせた食品で、日本では1996年より輸入が開始されています。どのように安全性を確認しているのか、ご紹介します。

食品、飼料、環境面から安全性を審査
 遺伝子組換え食品などを開発して輸入・販売する際には、必ず国の安全性審査を受ける必要があります。安全性審査は大きく分けて、食品、飼料、環境の面から行われます。
 私たちが食べても健康影響がないかどうか、食品安全委員会がリスク評価を行い、専門家によって「導入された遺伝子は安全か」「アレルギーを引き起こす心配はないか」「新たにつくられたタンパク質がヒトに有害でないか」など、詳しく審議します。その結果、安全性に問題がないと確認されれば、食品衛生法で流通が認められます。現在、食品としての安全性が確認された遺伝子組換え農作物は、9品目334品種(2024年3月18日現在)です。
 また、飼料としての安全性は、飼料安全法に基づいて農林水産省が食品安全委員会にリスク評価を依頼し、安全性の確認を行います。
 環境面では、生物多様性の影響を調べるカルタヘナ法が根拠法となります。その作物が栽培されることで、これまでの従来育種を駆逐したり、虫や土壌などに悪影響を及ぼすことがないかどうかなどを調べます( 図)。
 これらの審査を受けていない遺伝子組換え食品などや、これを原材料に用いた食品などの製造・輸入・販売は、法律によって禁止されています。また、間違って輸入されることがないように、貿易港や空港では、検査が行われています。

「遺伝子組換えでない」表示が減った?
 日本に遺伝子組換え食品が流通して20年以上が経過し、私たちは大豆製品や植物油など、さまざまな形で食べていますが、健康影響などの安全性が問題になったことはありません。消費者は情報を知りたいと表示制度を求め、2001年に食品表示制度ができました。
 その後2019年に制度が改正され、任意表示である「遺伝子組換えでない」の表示の混入率ルールが厳しくなり、不検出でなければ「 遺伝子組換えでない」の表示ができなくなり、「分別生産流通管理済み」などの表示になりました。これらは今まで通り、遺伝子組換えでないものと分けて流通していることを表す表示です。商品購入の際の参考にしていただければと思います。

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