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【食の安全・安心】外食の「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」
- 2025年03月25日
- お知らせ
【今月のテーマ】外食の「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」
外食で食べきれずに「もったない」と思いつつ残してしまうことがあります。持ち帰りたいけれどお店によっては、断られるところもあり、パックに詰めてくれるところもあり、対応はさまざまです。こうした持ち帰りを進めていこうと、国は「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン~SDGs 目標達成に向けて~( 消費者庁・厚生労働省)」を作成し、昨年12月25日に公表しました。
食品ロス削減対策の1つとしてつくられたガイドライン
ガイドラインができた背景は、SDGs( 持続可能な開発目標)において食品ロス削減に関する目標が設定され、日本も2030年度までに2000年度比で食品ロス量を半減させるという目標が設定されたことがあります。その後、事業者や消費者の努力で2022年度推計では食品ロス量が472万トンとなり、ひとまず目標を達成しました。
それでも、今後も事業系食品ロスのうち、外食産業において食べ残しを少しでも減らすことが求められています。事業者・消費者双方が安心して食べ残しの持ち帰りを促進できるように、持ち帰りの際には事業者が一定の注意事項の説明などをきちんと行って、それに同意した消費者が自己責任のもとに持ち帰ることとし、そのための注意事項などがガイドラインとしてまとめられました。
衛生的に持ち帰るためのルールを
ガイドラインの第5章に、食品衛生の観点から注意点が書いてあります。まずは事業者が、持ち帰りに適する食品は十分に加熱されていることなどで判断すること(サラダなどの生ものはダメ)、持ち帰りのための清潔な容器、器具( 箸など)を提供することなどを示しています。持ち帰るときには、事業者が準備した容器に、原則として持ち帰る消費者が移し替えをし、その際は清潔な容器、器具( 箸など)を使って行うこと。詰め替えを行う消費者は、発熱や下痢などの体調不良のない大人が行うこととしています。なお、自分で持参したマイ容器は原則として認めていません。
また、持ち帰り後は温度の高いところに放置しないこと、飲食店において喫食時に手を付けた食品は原則その本人が喫食すること、食物アレルギーがある人に渡さないこと、異味、異臭などを感じた場合は喫食しないことなども示されています。
事業者は、以上の事項を含む留意事項について、チラシなどを用い伝達することが勧められています。チラシはガイドラインの最後に示されています。このように事業者にはきちんとした説明と清潔な容器、文書などの準備が求められます。消費者もその内容を理解して、持ち帰りに協力することとなります。こうした取り組みによって、食品衛生の理解が深まることも期待されると思います。
それでも外食で最も重要なことは、その場で食べきること。たとえばご飯を少な目によそってもらうなど、できるところから取り組んでいくことも大切です。
※ガイドライン概要版
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/promote/assets/consumer_education_cms201_250120_03.pdf
※ガイドライン本文
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/promote/assets/consumer_education_cms201_250120_04.pdf
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