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工場点検 京都生協コープ商品 骨取りさわら味噌漬け 京都協同食品プロダクト㈱

  • 2023年01月17日
  • 商品

点検日 2022年8月12日

京都生協コープ商品「骨取りさわら味噌漬け」の製造者である京都協同食品プロダクト株式会社は、京都市南区吉祥院の国道171号線沿いにあり、近くには京都生協の本部棟や物流センターもあります。
京都協同食品プロダクト㈱は、京都生協のグループ会社で、主に組合員向けに水産物、畜産物の加工や食品の製造を行っています。

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「骨取りさわら味噌漬け」は、京都の老舗「石野味噌の上撰白味噌(こしみそ)」を使用しています。この味噌に調味料を配合したものを漬床とし、「韓国産のさわら」を40時間以上漬込んでいます。
この商品のルーツは1984年までさかのぼります。当時は、魚ばなれが進んでいるとされていたことから味噌漬けにし、食べやすくすることを目的に開発されました。開発から約38年間、組合員から支持されているロングセラー商品です。
組合員の声にお応えし、2020年より骨を取ったさわらを使用しています。

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2切れ入り、3切れ入り、4切れ入りがあります。(現在、店舗のみの取り扱いです。)

さわらの表面に付いたみそは水洗いせず、箸やキッチンペーパーで軽く味噌を取り除いてから焼いてください。一般的にはグリルでじっくり焼き上げますが、クッキングシートを敷いたフライパンでも焼いていただけます。


これより工場内の点検です。
工場に入る前に、健康チェック表で体調に問題がないことを確認後、工場専用の作業服を着用し、粘着ローラーで服の表面に付着した毛髪や異物を取り除いてから長靴を履きます。次に手を洗い、水分を取ってから手指を消毒します。粘着力のあるシートを踏みこんで靴底の異物を取り除き、エアーシャワーを通って工場内に入り、手袋を着用します。作業者の衛生管理と異物混入を防止する対策がしっかり行われていることを確認しました。

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原材料の保管場所を点検しました。
韓国産さわらフィーレ※、石野味噌の上撰白味噌(こしみそ)、その他調味料も、仕様書※通りのものが仕入れられていることを現物と納品伝票で確認しました。

※さわらフィーレ・・・三枚におろして、中骨、腹骨がない片身の状態のさわら。
※仕様書・・・原材料や製造方法、賞味期限など、商品の設計図にあたるもの。

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さわらは冷凍の状態で入荷します。さわらを包丁で切れる程度に解凍(半解凍)し、一定の大きさ(60g)に切り分けます。
切り分ける際に魚の品質も確認し、打ち身があるものなど、不良品は取り除かれます。

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切身になったさわらを、まず魚醤(ぎょしょう)など使用した調味液に漬けます。

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白みそと他の調味料を配合して漬床を作ります。配合チェック表に記録が残されており、配合内容に間違いがなかったことを確認できるようになっています。

調味液から引き上げたさわらの切身をコンテナに入れ計量します。さわらと漬床が一定の割合になるように漬床を計量し、取り分けておきます。

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さわらを、漬床と合わせて漬け込みます。

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漬け込み作業が終わったさわらの切身は、冷蔵庫で40時間以上漬け込まれます。
間違いなく作業をするために指示書が添えられていました。

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漬け上がったさわらは、バラ凍結されます。

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凍結されたさわら味噌漬けは、出荷するタイミングに合わせてトレーへ盛り付けて包装し、金属探知機で金属異物がないか確認し、自動計量器で最低重量が上回っているか確認します。

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金属探知器は「作業開始時」「作業中1時間毎」「作業終了時」に、テストピースを使って検知できることを確認。自動計量器は1日4回、重さの基準となる分銅(ふんどう)を使って正しい値を示すか確認されていることを、記録で確認しました。


最後に食品表示のラベルを貼りつけて完成します。
京都生協の店頭に陳列する時点では冷蔵品として取り扱います。

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工場が衛生的な環境であるか、食品へ異物が混入する原因となるものがないか確認しました。壁際など普段通らない場所も、汚れが溜まり、虫の発生原因とならないか確認しました。

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機械や器具は洗浄殺菌手順書に基づいて洗浄されています。記録から定められた頻度(場所によって毎日、週1回、機械使用時)で洗浄されていることを確認しました。
包丁とまな板は使用後、洗浄した上で保管庫へ収納され、殺菌灯で殺菌すると説明がありました。

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包丁も庫内もきれいにされていました。(点検当時、まな板は使用中のため、ありませんでした。)


工場で使われるアルコールや洗剤は、フードディフェンス※の観点から、作業前に2人で薬剤保管庫より取り出し、作業終了後も2人で薬剤保管庫へ返却するルールにされています。入出庫の記録でもルール通りになっていることを確認しました。

※フードディフェンス・・・「食品へ混入してはいけないものが、人を介して意図的に混入され
              ることによる危害」を防ぐ取り組み。


器具の洗浄用具は保管方法を写真で掲示されています。写真の通りに戻すことで、器具の数量管理を行っています。(点検当時、一部の用具は使用中のため、ここにありませんでした。)
また用具自体を吊り下げて保管することで乾燥しやすく、微生物の増殖を抑えることができます。

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工場内を点検した後、事務所で書類や製造記録などの点検を行い、仕様書通りに製造されていることを確認しました。また製造した骨取りさわら味噌漬けの量と仕入れたさわらフィーレの量を比較して、矛盾がないことを確認しました。

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【点検者の所見】
京都協同食品プロダクト㈱の工場は築40年ですが、早くからHACCPの考え方を取り入れた衛生管理※に取り組んでいます。施設、機械や器具、従業員などの一般的な衛生管理はもちろんのこと、製造した骨取りさわら味噌漬けを金属探知機へ通すことや、従業員の入場手順など、様々な異物混入対策にしっかり取り組まれ、問題がないことを記録や目視で確認しました。

※食品衛生上の危害の発生を防止するために、特に重要な工程を管理するための取組み。


【メーカーからのメッセージ】
品質の良い原料と、京都の老舗の白味噌をベースに作った漬床を使い、さわらにじっくりと味がしみるよう、40時間以上かけて漬け込んでおります。
全ての工程を機械に任せるのではなく、手作業で丁寧に心を込めて商品化しています。
レポート本文でも紹介されていますが、味噌は洗い流さずにキッチンペーパーまたは箸で軽くぬぐってから焼くと美味しいのでおすすめです。


「骨取りさわら味噌漬け」は京都協同食品プロダクト㈱から味噌漬け切身原料として出荷し、各店舗でトレーに盛り付け、包装している場合もあります。この場合、食品表示のラベルには「加工者 京都生活協同組合」と記載されていますが、製造工程はこのレポートで紹介した内容と同じです。

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