60周年

食品の容器包装について

1.はじめに

食品に使用される容器包装には様々な種類があり、特徴もそれぞれです。
過去においては、一部の容器包装を燃焼させることによりダイオキシンが発生するといった問題や容器包材が溶出し、代謝や生殖に悪影響をあたえるのではないかといった情報(外因性内分泌かく乱物質)がありました。
このため、容器包装に使用されている材質について、当時の科学的知見に基づき、一定の制限を設けていました。現時点において、ダイオキシンについては、焼却炉の性能があがったことや法整備が進んだことから環境中に排出されているダイオキシン濃度は基準値内におさまっています。
また、外因性内分泌かく乱物質については、現在のところ、人に影響のありそうな物質は見つかっていません。

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2.考え方

(1)留意使用とする容器包装の必要性、有用性を確認します。

①塩化ビニル
『留意使用とします』※1
(代替が難しく有用性がある場合に限り使用します)
②塩化ビニリデン
『留意使用とします』※1
(使用用途や代替可能性を十分に検討の上、 有用性がある場合に使用する)ただし塩化ビニル樹脂や塩化ビニリデン 樹脂が直接食品に触れない場合は使用しても差し支えないとします。
③ポリスチレン樹脂
『留意使用とします』※1
基本的には使用を認めます。揮発性化合物の溶出が多くなる可能性のある場合や調理で電子レンジを用いて加熱するなど100℃を超えた状態になりやすいものについては、有用性や代替性を考慮して使用の判断をおこないます。
④エポキシ樹脂、ポリカーボネート
『留意使用とします』※1
一日耐容摂取量が求められており、製品からの溶出量についても、法的な基準や業界基準により定められています。ただし、現在、食品安全委員会で食品健康調査評価が進められているため、今後、調査結果が公表された段階で、対応が必要かどうか見直します。

※1:留意使用とは、使用する包材の「必要性」「有用性」を判断して、組合員にとってのメリットが高く、使用理由が明確であることを条件に取り扱いを認めるということです。

3.とりくみ

  • (1)現在、「器具及び容器包装の規制のあり方に係る検討会」を設置され、食品に使用される容器包装のポジティブリスト制度が導入も含め様々な検討が進められています。
  • (2)国のリスク管理のしくみが整備された段階で、日本生協連と連携しながら国の評価内容の精査をおこない、基準の見直しをおこないます。